June 15, 2019

[Journey] 福井県高浜町~おおい町・若州人形座公演 '19. 6.15

19061501wakasawadastnFukui, SONY α6000 with SONY Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA (2019. 6)

JR小浜線・若狭和田駅。一日の乗客数は121人(2017年)の、小さな駅。しかし駅には「ピースフル和田」という観光案内所があり、無人駅ではなく、電車のきっぷも売っている。

この駅がある福井県高浜町には、原子力発電所がある。10分歩いたところに、関西電力のPR館「若狭たかはまエルどらんど」がある。

 

19061502eldolandFukui, SONY α6000 with SONY Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA (2019. 6)

原発コーナーは「アトムプラザ」と名づけられており、人形に説明していただいたけれど、残念ながらこれまで訪ねた他のPR施設に比べると展示内容は薄めに感じた。

 

19061503atomplazaFukui, CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR4000 (2019. 6)

隣の、おおい町へ移動する。少し山側に入り、若州一滴文庫へ。昨年に続いて今年も若州人形座の竹人形劇を見に来た。今回の演目は水上勉作品の「越前竹人形」。今日もまた満員御礼だ。

 

19061504fullthanksFukui, CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR4000 (2019. 6)

上演時間1時間20分。原作は文庫本で167ページの量なので長編ではないけれど、場面転換が多いため、劇では多少内容が端折られていた。また小説の主人公は小柄な男性の喜助(きすけ)だけど、劇は喜助の美しい嫁・玉枝を中心に描かれていたように感じた。それでも原作の原型は壊されていなかったと思った。そしてこの作品、結末はBad Endingで唐突に終わるのだけど、その、ぶっつり感もよく表現されていた。また、語りの飛鳥井かゞりさんもお見事。

昨年の「曽根崎心中」は水上作品ではなかったため見た後に若干の不満は残ったけれど、今日は、観劇後に尻が痛くなったことを除けば満足だった。いや梅雨空の下、福井まで来てよかった。

 

19061505rainydayFukui, SONY α6000 with SONY Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA (2019. 6)

そして来年の若州人形座公演、演目は「五番町夕霧楼」だとか。これは、来年も見に来いということでしょうか…。

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January 21, 2019

ウリ・ジョン・ロート at 中野サンプラザホール '19. 1.21

ウリ・ジョン・ロート(Uli Jon Roth)は、1954年ドイツ生まれのロック・ギタリスト。私が知る限り、ギターを意のまま、感情的に歌わせることができる数少ないミュージシャンの一人である。

ウリは、1973年にScorpionsというバンドでメジャー・デビューした。私が彼の存在を知ったのは、Scorpionsが初来日した1978年頃だった。しかしそのきっかけは音楽ではなくてアルバムのジャケット・デザインだった。当時のScorpionsのアルバムのジャケットは挑発的なものだったのだ。

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左から「Virgin Kiler」(1976年)、「Taken by Force」(1977年)、「Animal Magnetism」(1980年)のアルバム・ジャケット。「Virgin Kiler」は「狂熱の蠍団」、「Taken by Force」は「暴虐の蠍団」、「Animal Magnetism」には「電獣」という邦題がついていた。昔の洋楽は、邦題のつけ方のセンスもすごかった。そしてこれらのアルバム・ジャケットは、欧米では発売前にデザインの変更を強いられた。なぜダメだったのか。「Virgin Kiler」は、説明するまでもないだろう。けれども日本では当初、オリジナルのデザインで発売された。当時の日本は、その辺の意識が欧米諸国に比べて甘かった。だが縦横30cmのLPレコードサイズいっぱいにこの写実的なイラストが印刷された「Virgin Kiler」を買うには、エロ本を買うとき以上の勇気が必要といわれた。「Taken by Force」は、墓地で銃を撃ち合う男たちの姿がテロを連想させて不謹慎ということで、日本以外ではジャケット差し替え。

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「Animal Magnetism」は、表は問題ないけれど裏ジャケでは男女の間にいる黒犬の顔の位置が男の股間に移動しており、「けしからんことを連想させる」という理由で欧米ではアウトだった(こちらが裏ジャケ→)。

もっともScorpionsの音楽はどちらかというと暗めで叙情的な曲が多く、アルバム・ジャケットの過激さとはリンクしていなかった。のちにウリはインタビューで「当時、私はアルバム・ジャケットには大した意味なんかない、大事なのは音楽だと考えていたんだ。今だったら全力で却下しているだろうね」と話している。

Scorpions初来日時に中野サンプラザで行われた公演はレコーディングされ「Tokyo Tapes」というタイトルでリリースされた。このアルバムは当時のライブ盤としては音質の良さからDeep Purpleの「Live in Japan」と並んで賞賛された。だが「Tokyo Tapes」を置き土産にする形で、ほどなくしてウリはScorpionsを脱退し、ソロ・プロジェクトのElectric Sunで活動を始めた。Electric Sunの音楽性はウリが敬愛するロックギタリスト、ジミ・ヘンドリックスの影響を感じさせるものからクラシック音楽の大作のようなものまで広い範囲に及び、彼はそれらを自らが発案した、普通のギターよりも高音が出せる「スカイ・ギター」で奏でた。

ウリのテクニックや音楽性はそれなりに評価されていたにもかかわらずソロ活動を始めてからのウリは寡作がちで、ライブも積極的に行なわなかった。それらも影響してか、2005年には破産してしまった。しかしウリが破産したことを私は当時の音楽誌で知ったくらいだから、落ちぶれて人知れずひっそり無一文になった、というのとはちょっと違っていたと思う。

破産後のウリは尻に火がついたせいか、それまでに比べて活動が活発になった。皮肉なことながら、ファンにとっては喜ばしいことだった。2008・2015・2016年には来日し、そのうち2015年のツアーは「Scorpions加入40周年記念」と銘打たれ、「Tokyo Tapes」と同じ中野サンプラザで行われた公演がDVDなどで映像化された。私がウリのライブを見るのは、その中野サンプラザ公演以来となる。

 19012103nakanosunplaza Tokyo, CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR4000 (2019. 1)

190121042019tourそして今回も東京の会場は、ウリお気に入りの中野サンプラザ。4年前と同じように平日夜の公演だけど、そのときより客の入りは悪かった。私の席は一階の12列。振り返ると、後ろは半分くらい空いている。さすがにScorpionsの名を冠せずウリ単独のネームバリューで平日の晩にホールを埋めるのは厳しかったようだ。

予定の19時を10分くらい過ぎたところで開演。今回はウリが本格的な音楽活動を始めてから50周年のアニバーサリー、かつ会場はスペシャルな中野サンプラザということで、ゲストが多数参加した。羅列すると、マイケル・フレクシング(ウリの弟・ジーノ・ロートのバンド「ZENO」のボーカル)、ルドルフ・シェンカー(Scorpionsのギタリスト)、ルディ・レナーズ(元・Scorpionsのドラマー)、そしてセッションマンとして昨年11月にBon Joviと来日したばかりのフィル・エックス(ギタリスト/ボーカル)。ゲストは、出ずっぱりではなく数曲だけ参加する形だったけれど、迎える側のウリのバンド・メンバー自体の人数が多く(キーボード、ベース、ドラムスと、ウリ以外にサイドギター2人〔うち1人はボーカル兼任〕)、ライブでは珍しく音が分厚かった(言い換えれば聞き分けにくい…)ことが特徴的だった。

選曲は前半がElectric Sun、後半はScorpions時代の比較的有名な曲を中心とした構成。中にはこれまでライブで演奏されていなかったという曲もあったけれど、私は予め今回のツアーの選曲をネットで調べていたので、ほぼ想定どおりに受け入れることができた。ネタバレにはなってしまうけれど、キャリアが長く作品数が多いアーティストのライブでは、事前に曲目を予習したほうがライブ本番を楽しむことができると私は思う。Scorpionsの曲のほうが、知名度が高いためか客の反応はよかった。けれども、Scorpionsナンバーの後にElectric Sunの曲が続けて演奏されても、ほとんど違和感はなかった。それは、ソロ曲がScorpionsの曲に比べて質的に劣っていないことをも証明するものだった。

ライブは、みっちり3時間近く続き、終わったのは22時過ぎ。最後はジミ・ヘンドリックスのカバー「All Along The Watchtower」(正確に言えば原曲はボブ・ディランで、ウリが演奏したのはこの曲のジミ・ヘンドリックスのカバーバージョンのさらなるカバー)だった。2015年の来日公演ではこの曲のあとに同じジミ・ヘンドリックスの「Little Wing」が演奏されたけれど、今晩は、ここで時間切れだったか。

 

 

 2015年来日公演の「Little Wing」。最後に「Thank you、 Nakano Sunplaza Hall!」と言ってます。

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December 04, 2018

最近見た映画④「ボヘミアン・ラプソディ」

この映画の存在を知った当初は単なる「メンバーのそっくりさんを使ったQueen再現物語」だと思い、あまり興味を持っていなかった。しかし作品がヒットし「ハードロック好きならこれは絶対見ておかないと」という声をどこかで聞いたとき、そもそもQueenを「ハードロック好きが絶対に聴いておかないといけないグループ」とまで考えていなかった私は「そんな凄いのかこの映画?」と思って、12月になってから見に行った。

私は年齢的にいえばリアルQueen世代の中心よりおそらくちょい下くらいで、オリジナルメンバーのライブに行ったことはなかったけれど、フレディ・マーキュリーが亡くなったあとソロ活動をしていたギタリストのブライアン・メイが1993年に行ったライブや2005年にFree/Bad Companyのボーカルだったポール・ロジャースとオリジナルQueenメンバーが組み「Queen+Paul Rodgers」として行った来日公演を見たことがある(そのときの感想はこのブログにも書いた)。


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非常に熱心なファンとまではいえないけれど愛着はある、程度のレベルですわ、あえていえば。

そんな私がこの作品を見ていたときにまず感じたのは、これまで断片的に持っていたQueenに対する知識と比べて映画のストーリーに違和感を持ったところがいくつかあって、「あれ、この場面って、事実もそうだったっけな?」と感じるたびに思考が停止してしまったことだった。

あとで考えると、事実に忠実にストーリーを作ればフレディの死をクライマックスに持ってくることを避けないわけにはいかなかっただろうから、ハッピーな場面で終わらせる物語にするにはああするしかなかったのかなと納得もできたけど。

でも全体的な出来としては、そっくりさんのレベルも高かったし、ライブの部分は実際のQueenの音源が使われていたのでやっぱり感動はしたし、見て損はなかった。ライブの映像にもQueenのものが使われていたら、たぶん私も涙腺が決壊していただろう。

Queenの曲はロックの中でも、「口ずさむことができる部分が長い」ものが多いと思う。ライブでも"Bohemian Rhapsody"の前半部分や"Love of My Life"のほぼ全てなどでは、日本でも多くの客がいっしょに歌っていた。そうした曲を多く残しているというのもこのグループの強みだし、今、この映画が、リアル体験していない若い世代をひきつけることができた大きな原因のひとつなのではないかなと思った。


2005年来日公演での"Teo Torriatte"。この曲はサビが日本語なので客の歌声も一層大きかった。実際に見たときにはそんなに変には思わなかったんだけど、今あらためて聴くと、こうした曲ではポール・ロジャース全然合ってないな…いや私ポール・ロジャースも好きなんで辛いんだけど。

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December 03, 2018

最近見た映画③「FOR REAL」

これは毎年今ごろの時期に「ベイスターズの今年一年を振り返る」的な内容で作られる作品で、上映期間終了後にDVDやBlu-rayが発売される。今回はじめて見たのだけど、今年はベイスターズにとって反省材料が多いであろう年だったので終始退屈せずに見ることができた。評論家的な見方が好きな人には、こういうのは結構楽しめそうな。

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December 02, 2018

最近見た映画②「えちてつ物語」

「えちてつ」こと、えちぜん鉄道は、福井県を走る私鉄。永平寺や東尋坊、また今年6月に行った芦原温泉など、県内の観光地へ行くときにはこの鉄道が便利なので、何度も乗ったことがある。


えちぜん鉄道の電車には「アテンダント」と呼ばれる女性乗務員が乗っている。この鉄道以外にもアテンダントがいる列車に乗ったことがある。だがえちぜん鉄道のアテンダントは、たまたま私がお見かけした方々がそうだったというだけだったのかもしれないけれど、他の鉄道のアテンダントと比べて、旅行者に媚びたり、妙に愛想がよかったり、見た目派手だったりという感じではなく、動きがきびきびとしているように見えた。それが逆に謎っぽくて印象に残っていた。

映画は、お笑いタレントを目指して福井から上京したものの全く売れずに心が折れかかっていた女性がえちぜん鉄道の社長からスカウトされ、心機一転アテンダントを目指すというストーリー。

アテンダントについて詳しく描かれているだろうと思い、私がほのかに抱いていた謎が解けるかと期待して見た。しかし、残念ながらその謎は解けなかった。主人公を演じた横澤夏子さんはテレビでよくお見かけする売れているお笑いタレントさんで、そのせいか、動きが派手で、しばしばテレビドラマっぽくも見えた。


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Fukui, SONY Cyber-shot DSC-W630 (2013. 2)

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December 01, 2018

最近見た映画①「ゲンボとタシの夢見るブータン」

このところ、映画を多く見た。

年に一本も映画を見ないこともある私にしては珍しいので、備忘録を兼ねて感想を残す。


そのお花畑的な邦題からして、実は、見る前はあまり期待していなかった。原題は"The Next Guardian"。ブータン人のルム・バッタライ氏とハンガリー人のドロッチャ・ズルボー氏が共同監督を務めた。

ブータン中部の町・ブムタンに古くからあるお寺に住む一家の生活を、ナレーションも音楽も付けずに淡々と描く。

地方にあるお寺の後継ぎをためらい、都会で働くことを希望する息子。娘はトランスジェンダーで、サッカーに夢中になっている。しかしブータンには若者が憧れるような大企業はない。また、人々の意識が昔と大きく変わっていなければ、トランスジェンダーに対して特に寛容な社会でもないだろう。

現代的、かつ、ありがちなテーマなのでフィクションかと思ったら、ノンフィクションなのだそうだ。出演者が話すブータン現地語であるゾンカ語の吹き替えもなく、クールなドキュメンタリー風の作品。いい意味で予想を裏切られた。


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Bumthang (BHUTAN), MINOLTA α-807si with MINOLTA AF ZOOM 24-85mm F3.5-4.5 NEW (2000.12)

2000年の冬に訪れたブムタンの寺院。建物の姿は今もほとんど変わらないように見えたけれど、人の心は変わったか。

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August 27, 2017

山咲みみさん

先日、とある銭湯を何気なく検索していたとき、「山咲みみさんが通う銭湯です」とコメントがあるのを見つけた。

山咲みみさん。

…誰だよ。

山咲みみさんを検索した。山咲さんはストリッパーだった。

20年くらい前に一度、ストリップ劇場に行ったことがあった。そのときは仕事の取引先の人と何人かで見た。なんでまた仕事関係の人とストリップを見たのか。それは、私の提案だった。彼らは、普通に共に食事をしたら、会計の時に伝票を「まーまーまー」と取り上げられて自動的に接待となるような関係だった。けれども、そのときは会社の経費で落とされるようなおつきあいをしたくなかった。そこで容易に領収書を持っていかれないような場所に行こうと考えて、当時勤めていた大阪市内にあった、ある劇場に行き、親交を深めようではないかと企画したのだった。

それから長い間を経て、数年前、そのとき親交を深めた人と十数年ぶりに再会した。挨拶のあと、二言めに彼は言った。

「いや実は、あのとき行った劇場が昨日手入れを受けたそうで」

久しぶりに会って二言めに口にした言葉がそれというのも何だし、再会の前日に手入れというのも何だけど、それだけ彼の記憶に残った経験だったのだろうと思った。

…これが、今までの私のストリップ経験だ。他人に自慢できるほど豊富なものではない。いや豊富だからといって自慢できるかどうかはまた別だけど。

それはともかくとして、たまたま検索した、その銭湯を訪れる著名人がストリッパーだということに興味を持った。山咲みみさんは過去にAVやテレビで仕事をしていたわけではなく、ストリップ一筋で十数年の芸歴を積んできたようだった。劇場に行かなければ動く姿を見ることができない芸人さんだ。昔から「実地経験しなければわからない」存在に私は魅かれる性質がある。そこで久しぶりにストリップを見に出かけようと思った。


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Tokyo, CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR4000 (2017. 8)

JR池袋駅東口から線路沿いに数分北上したところに、小さなお社がある。池袋水天宮。


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Tokyo, CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR4000 (2017. 8)

鳥居の傍らに「田の神様」とよばれる石像が4体並ぶ。一見お地蔵さんのようだけど、各々、手にシャモジやお椀を持っている。

そして、この神様を背後から回って見ると…


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Tokyo, CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR4000 (2017. 8)

以上、本日のつかみネタ。

今日の目的地・ミカド劇場は、この池袋水天宮からほんの数百メートルのところにある。劇場の裏手に出演者の写真が掲示されていた。

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Tokyo, CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR4000 (2017. 8)

6名ですね。案内に従い、角を曲がってスグ!の入口へ。


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Tokyo, CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR4000 (2017. 8)

17082705ticket係員の人にお金を払うと、彼は受け取ったお金を自動券売機に入れ、出てきたきっぷの半券をちぎって私に手渡した。彼は「自動券売機にお金を入れる担当」なのだろうか。

ミカド劇場では13時まで入場すると「早朝料金」が適用されて入場料は¥4,000。一度入場すれば、夜の終演まで中にいることができる。コストパフォーマンスは非常に高い。

案内に従い受付の横にある扉を開くと、廊下やロビーはなくて、いきなりステージが目に入った。

…狭い。

ステージ周りははおよそこのようなレイアウト。


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客席は、3人がけくらいの長さのベンチが左右に四個ずつ並んでいるだけ。つまり座席定員は24人。ストリップ劇場ってこんなに狭いものだっただろうか、と過去の記憶を呼び覚まそうとするも、前に行ったのは大阪の劇場だったし、しかも一度だけだったので思い出すことはできなかった。だけど、もしここのように小さかったらさすがに記憶に残っていたような気がする。

開演の30分くらい前だったけれど、ステージきわの文字通りかぶりつけそうな席以外はまだ空いていたので、座席は確保できた。

劇場内では「携帯電話の使用や写真撮影は固くお断り」というお馴染みの禁止事項以外にも、いろいろなお約束がある。今日は、ここに来る前にこの劇場のホームページの中にあった「ストリップ入門12」などで予習してきた。

見落としてしまいがちなお約束ごとが多い、というのは銭湯の入浴マナーにも通じるものがある。いやいや銭湯のマナーなんてものは一般常識でしょと思う人もいるかもしれないけれど、大学生の頃に銭湯で風呂から上がって脱衣所に戻ったとき、そばにいた全身刺青のおっさんから「あーあー兄ちゃん、もっとちゃんと体拭いてから上がらないと」と叱られて以来、私は、自分ルールで「この程度はOK」だと思っていたことが世の中ではOKではないことも存在することを学習するようになったのだ。

…で、現実に戻って、ストリップである。ほぼ定刻どおりに場内が暗転し、闇の中でボソボソと呟くようなアナウンスが入り、開演。

6人の踊り子さんが、およそ一人20分の持ち時間の中で演目を行う。

踊り子さんの年齢は見た目20代から40前後くらいまで様々。そしてこれも今日の新たな発見だったのだけれど、人によって演目の作りに結構な違いが見られた。単に曲に合せてリズムを刻みながら衣装を脱いでいき、ストレートに裸体に注目させる踊り子さんだけでなく、音楽の選曲からしてストーリーを匂わせ、そのストーリーに合せて服を脱ぎつつパフォーマンスを見せる踊り子さんがいることに気がついた。たぶん世間一般の人が抱く割と一般的なストリップのイメージは前者で、私も、前に大阪で見たときにはそちらのほうしか印象に残っていなかったのだけど、今日は、練り上げられたストーリーを、まさに「演じている」踊り子さんが何人かいて、彼女たちの動きに気をひかれた。

そのひとりが山咲みみさんだった。彼女は、一回目は南アジア風の真っ赤な衣装をまとい、ヨガを思わせるようなポーズを交えながら踊った。それは彼女の胸元にあるヴァジュラ(Vajra)のタトゥーと調和を見せていた。二回目は、天使の背中についてるような羽根を手に、白いドレスで小さなステージを舞った。

ところで、演奏されていた曲の名前もここで紹介できれば、より説明が具体的になるのだけど、実はストリップには「曲名を口外してはならぬ」というお約束も存在する。…なので、残念ながらここは掟に従う。

さて。踊り子さんが演目を終えた後は個人撮影のコーナーが設けられている。ここで撮った写真はプリントされ、裏にサインとメッセージが添えられてお客に渡される。一枚¥500。これもアイドルの握手会などで「CD一枚買ったら特典がどうたら」っていうのに比べると、非常にコストパフォーマンスが高いと思う。ところでこの写真のことを口頭では「ポラ」と呼ばれていたのが、興味深かった。おそらく昔はポラロイドカメラを使って撮っていたのだろう。今日目にしたカメラは、踊り子さんの私物のようなコンパクトデジタルカメラだった。そこで、私も山咲さんに一枚撮らせていただいた。カメラは黒いCoolpixだった。

あとで、裏にサインとメッセージが書かれた写真をいただいた。

しかしここでも掟が発動する。劇場で撮った写真やいただいたサインも、原則として公開してはいけないようなのだ。だが一応このブログは写真ブログだし(…)、というわけで悩んだ結果、ボカしを入れて掲載してみることにする。


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写真を撮るときに山咲さんと少し話すことができた。彼女も銭湯が好きなのだそうだ。話し方は軽かったけど、実は奥行きの深い女性という印象がした。ていうか引き出しをたくさん持っているのかな。

銭湯もストリップも先行きは明るくないけれど、両方とも大切にしたい、奥が深い文化ですよね、と今日は適当にまとめてみる。


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Tokyo, CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR4000 (2017. 7)

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October 12, 2014

[Tour] 福島県・浜通り '14.10.12

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Fukushima, CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR410 (2014.10)

午前5時48分いわき発の常磐線下り始発電車・竜田行き。

走り始めてしばらくすると、夜明けの太平洋岸や、稲穂がたわわに実った田んぼが車窓から見える。竜田まで鉄道が運転を再開したのは、今年6月1日のことだ。


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Fukushima, CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR410 (2014.10)

30分ほどで竜田に着く。私のほかにも何人か乗客がいたけれど、単に乗りにきただけなのか、駅の周りの写真を撮ると、折り返しの電車に戻っていった。


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Fukushima, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014.10)

竜田駅まで電車が走るようになった最大の理由は、沿線の楢葉町が、福島第一原子力発電所事故によって避難している町民に対して「帰町の判断」を行ったことによる(詳細は楢葉町のホームページ参照)。ただし現在も駅周辺を含む町の大部分は避難指示解除準備区域とされ、立ち入りは可能であるけれど宿泊することはできない。従って、ここまで電車などで来ても、その日のうちに帰らなければいけない。


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Fukushima, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014.10)

駅をあとに、町を歩く。このあたりは福島第一原子力発電所の半径20km以内に位置する。基本的に、現在、ここに住んではいけないはずだから、早朝の今の時間に人と会うことはほとんどない。

私は、手に線量計を持って歩いた。『エアカウンターS』という家電量販店で¥5,000くらいで買った安いものだけれど、広報されている値にもほぼ近い数字を示すので、それなりに当てになっていた。竜田駅の中に表示されていた線量率は0.199μSV/hだった。駅前の道路でエアカウンターSで計ったところ、0.2μSV/h前後だったから、およそ正確な値といっていいのだろう。だが、公園に入って、土の上で計ると、0.51μSV/hという値が出た。道路上の線量が低かったのは、おそらく除染が行われたためだと考える。


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Fukushima, CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR410 (2014.10)

電車は走っているし、缶ジュースの自動販売機も動いていたから、電気は普通に通じているようだ。家並みも、パッと見た目は普段と変わらない様子だけれど、セイタカアワダチソウが家の前におかれた鉢植えを占領していたり、建物が歪んだまま何の手立てもなく放置されていたり、2011年3月19日からクレヨンしんちゃんがやってくる告知が貼られていたりするなど、要は、あの日以降、人間の生活はほぼ止まったまま現在に至っている。


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Fukushima, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014.10)

しかし治安悪化を防ぐための巡回は行われているようで、パトロールを実施した旨の通知が郵便受けなどに挟まっている家もしばしば見かけた。だが、言い換えれば、その紙の存在に私が気づいてしまうということは、家主が家に帰っていないことを意味していた。


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Fukushima, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014.10)

時間が経つにつれて、駅から歩いて来る人や、車の姿をちらほら見かけるようになった。おばあさんが一人、丸くなった大きなリュックを背負って集落へ向かっていく。彼女の後姿が街中に消えていくのを見届けてから駅に戻り、いわき行きの電車に乗る。


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Fukushima, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014.10)

いわき駅のホームで洗面台を見つけた。昔、夜行列車が多く走っていた頃は、早朝、顔を洗ったり歯を磨いたりするために、大きな駅のホームには洗面台があるのが常だった。今は利用する人もほとんどいないと思われるけれど、こうして残っているのを見ると、ちょっと嬉しい。


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Fukushima, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014.10)

さて。

今から午後にかけてどうするか、昨日まで、具体的なスケジュールを考えていなかった。いわき市内か近郊で、適当な観光スポットを見繕うつもりだった。

そんな中、昨晩いわき市で前泊するために駅前を歩いていたとき、目がキラキラした女の子からチラシをもらった。


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ライブの告知だった。

「『Baby Tiara』というグループで、震災孤児のためのチャリティユニットをしています。ライブをやりますので、よかったらTwitterとかでも拡散してください」

早口で彼女は言った。

「震災孤児のためのチャリティユニット」という言葉が耳に残った。

しかし所詮私は通りすがりの身、このためにいわきを再訪するほどのことは無いのねん…と思いながら、何気なくホテルの部屋であらためてチラシを見ると、ライブの時間は10月12日の昼12:00から、とある。おお何とJust Fitな時間帯。

…というわけで、早めの昼食をとって、いわき駅近くのバーで行われるライブに足を運ぶことにする。

このジャンルのアーティストのライブを、私が金を払って見るのは、1987年に代々木第一体育館で行われたおニャン子クラブの解散コンサート以来。なぜ当時おニャン子クラブを見に行ったのかという理由は、とりあえず置いておく。

この日は「定期ライブ」ということで、お客は身内らしき方か熱心なファンの方がほとんどのようだった。私にとってはアウェー感が半端なかったけれど、それでも、Baby Tiaraのメンバーの一所懸命な雰囲気は伝わってきた。MCでは「震災」や「チャリティ」関係のキーワードは、意外に出てこなかった。だがこれも、客の多くが彼女たちにとってお馴染み系の方々だったためかもしれない。「チャリティ」というキーワードについては、「私たちはチャリティユニットなのでお金がありませーん!」と言ってCD発売のための募金をお願いしていた場面があった。けれど、それはむしろその正直さに、かえって好感が持てた。それでも今回私が払ったチケット代のうち幾許かはチャリティに使われることを期待して、2時間のライブをきっちり見終えてから、会場を後にする。

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February 01, 2014

風街の電車

年末に急逝したミュージシャン・大瀧詠一氏がいたグループ・はっぴいえんど。彼らが残したアルバムのひとつ、「風街ろまん」の中ジャケットには都電が描かれている。


1401131kazamachiroman

街のはずれの 背のびした路地を散歩してたら

汚点(しみ)だらけの霞(もや)ごしに 起きぬけの路面電車が

海を渡るのが見えたんです

この、アルバムに収録されている「風をあつめて」という曲の歌詞や、電車の方向幕が「新橋」となっていることから、これは海に近い港区辺りがモデルなのだろうと勝手に想像していた。しかし最近ネットで、この風景は都電荒川線の大塚と向原の間が元であるらしいという噂を知った。

クネクネ曲がりながら坂を登っていく様は、たしかに絵のイメージに近い。


140202kazemachia
Tokyo, SONY α390 with SONY DT18-135mm F3.5-5.6 (2014. 2)

第二次世界大戦前、この界隈は、線路の際までびっしり家が建っていたらしい。空襲で焼けたあとに町並みは整備されたけれど、線形だけは昔のままなのだとか。


1402022kazemachib
1402023kazemachic
Tokyo, SONY α390 with SONY DT18-135mm F3.5-5.6 (2014. 2)

想い出はモノクローム。

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January 23, 2011

職人集団芸

DVD

寒くて最近あんまり撮ってないので、いつにも増して誰が読むのだろうと思う音楽ネタっす。

このDVDと同じ昨年のマイケルシェンカーグループ日本ツアーを見に行ったので(収録日とは違う)、DVDまで買わなくてもいいかなぁと思って発売当初はスルーしていた。だが、先日ふとYouTubeでこれの映像を見て「ええやん!」と再感動して結局買ってしまった。

ライブんときはどうしても目や耳はマイケルのギター中心に追っていたのだけど、後で聞くと、ドラムのサイモン・フィリップスやベースのニール・マーレイも美味しいプレイをふんだんにしていたことに気づいたのだ。二人とも見た目は決して目立つプレイヤーではない。ライブのときの服装も普段着みたいだったし。しかしあとで聴くと派手ではないけど彼らなりのスタイルで結果としてアンサンブルに仕上げていた。

いいなーベタベタしたチームワークとか、それと真逆の個性の主張し合いとかやらなくても、こう、クールに仕事をやって高い水準で形にできるっていうのは。

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