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July 14, 2017

[Journey] 北海道夕張市 '17. 7.14

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Hokkaido, SONY α6000 with SIGMA 19mm F2.8 DN (2017. 7)

日本で、冷房のない列車に乗るのはいつ以来だろう。1両編成のディーゼルカーは扇風機をフル回転させている。北海道に来たのに、暑さが東京とほとんど変わらないように感じる。

湿度はたしかに東京に比べて低い。だが、体感温度は大して変わらない。「暑くても湿度が低いから爽やか」という言葉は、北海道民に対する単なるお世辞のように思った。


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Hokkaido, SONY α6000 with SIGMA 19mm F2.8 DN (2017. 7)

終点のひとつ手前で列車を降りた。鹿ノ谷駅。名前の通り、山の中にある。無人だけど大きな駅舎が残っている。昔は多くの客が利用していたであろう雰囲気がうかがわれる。


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Hokkaido, SONY α6000 with SIGMA 19mm F2.8 DN (2017. 7)

ここは北海道夕張市。炭鉱で栄えた町として知られる。この先、夕張駅まで走るJR石勝線夕張支線には、今、廃線の噂がある。夕張市の人口は今年4月現在、8,612人。炭鉱が盛んだった1960年頃には、110,000人以上の住民がいた。夕張駅までひと駅の間を歩く。


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Hokkaido, CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR4000 (2017. 7)

道路沿いに商店がぽつぽつと建つ。地方にありがちなシャッターを閉じた店ばかりでなく、開いているところもある。だが、なぜか店を開けているのは床屋や美容室など、理容関係が目立つ。そんなに必要か床屋が、と思う。けれども、おそらく皆、むかしから常連さんと共にある店なのだろうと想像する。


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Hokkaido, CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR4000 (2017. 7)

ああ「メロン熊」って夕張のゆる(?)キャラだったのかと再認識しつつ土産物屋の脇を通り過ぎると、夕張駅に着いた。


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Hokkaido, SONY α6000 with SIGMA 19mm F2.8 DN (2017. 7)

観光案内所を兼ねた、浮世離れしたキッチュな三角屋根の夕張駅。駅の背後にある白いホテルに合わせたデザインのようにも見える。ホテルの敷地は、線路のすぐそばまで迫っていた。むかし鉄道用地だったところを、ギリギリの線までホテル業者へ売却したのではないかと感じる。

夕張に来たのは初めてだ。そしてここに来た最大の理由も、夕張支線が「まだ乗ったことのないJRの路線」のためだった。


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Hokkaido, CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR4000 (2017. 7)

夕張支線の列車本数は、一日5本。およそ3時間後の、16時31分の列車で戻ろうと考えた。その次の列車にすると、19時28分の最終列車になってしまう。3時間で行けそうなところとして、地図で見つけた「石炭の歴史村」へ足を運ぼうと考える。さらに数キロ先へ歩く。

石炭の歴史村が道の右手に見えてきた頃、左手に白い鳥居が目に入った。


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Hokkaido, SONY α6000 with SIGMA 19mm F2.8 DN (2017. 7)

17071409gosyuin夕張神社。ストレートな名前の、立派な構えの神社だ。

鳥居の脇に掲げられた「夕張神社御由緒の記」によれば、「明治22年(1889年)11月18日、北海道炭砿鉄道株式会社の設立と共に夕張炭山並びに鉄道布設による安泰祈願の斎社として登川村夕張炭山字社光に神殿を築造せられたことが発祥」とされる。その後、1894年に炭鉱の鬼門に当たるこの場所に社殿が設けられた。1921年に社殿・社務所を類焼し、1923年、再建とともに夕張神社と改称。また、同じ年に竣工した軍艦「夕張」の守護神として神霊を艦内に奉斎すると共に、海軍元帥東郷平八郎から自筆の御神額が奉納された。戦後は、1963年本宗大山祇神社、1967年出雲大社より各御神宝が与えられ、1971年には太宰府天満宮より文祖菅原道真公の御神霊奉斎が許可された。

歴史が古いわけではないけれど、多くの御由緒がある。それは夕張市の歴史自体が新しく、短い間に栄枯盛衰を経験した町であることも意味する。

ご朱印を賜り、神社を後に石炭の歴史村へ。


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Hokkaido, CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR4000 (2017. 7)

敷地が、とても広く感じられた。面積は51万㎡あるという。東京ディズニーランドとほぼ同じ広さだ。

ここはむかし炭鉱の中心地だったそうだ。1977年に閉山した夕張炭鉱の跡地を利用してここにテーマパークが造られた。「炭鉱から観光へ」をキャッチフレーズとして1980年に運営母体の第3セクター「石炭の歴史村観光」を設立し、1983年に遊園地などが全面的に開園した。大観覧車やジェットコースターなどがある遊園地「アドベンチャー・ファミリー」や2万本以上のバラが咲き乱れる「ローズガーデン」 などが作られ、年間200万人の観光客招致を目指した。

しかし2006年に夕張市が「財政再建団体」申請を行うことを表明し事実上倒産状態になったことに伴い、石炭の歴史村観光も「今後は委託料など市からの収入が見込めないこと」から同年11月に札幌地方裁判所に自己破産を申請して破綻した。


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Hokkaido, SONY α6000 with SIGMA 19mm F2.8 DN (2017. 7)

「おみやげハウス」と書かれた、この建物の中は、いまは荷物置き場になっていた。


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Hokkaido, CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR4000 (2017. 7)

たぶん遊覧列車のようなものが走っていたであろう駅の跡。線路や車両は確認できなかった。

「村」内のほとんどの施設は閉鎖されていたけれど、唯一「夕張市石炭博物館」だけが、現在、稼動しているようだった。


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Hokkaido, SONY α6000 with SIGMA 19mm F2.8 DN (2017. 7)

石炭の歴史村マスコットキャラクター「ゆうちゃん」に促されるように博物館へ。


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Hokkaido, CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR4000 (2017. 7)

入場料600円。

しかしこの博物館も、現在、館内工事中で、見ることができるのは施設の一部である「模擬坑道(実際に使っていた坑道の跡)」だけだった。


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Hokkaido, CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-ZR4000 (2017. 7)

トロッコや線路も残されていた模擬坑道。ゆっくりめに20分くらいかけて見学。涼むには、ちょうどよい所だった。はい。


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Hokkaido, SONY α6000 with SIGMA 19mm F2.8 DN (2017. 7)

先入観を気にせずに歩いた限りでは、のどかで、適度にひなびた町という印象だった。好天のせいもあったのかもしれないけど。町の規模の割には集合住宅が多いのが目についたけれど、これも、もっと廃墟っぽい建物が多いのではないかと構えていただけに、正直なところ、ちょっとホッとした。

町をひと通りまわって駅に戻るといい時間に。折り返しとなる列車には平日にもかかわらずマニアの人が数人乗っていた。これらの方々といっしょに夕張を後にする。


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Hokkaido, SONY α6000 with SIGMA 19mm F2.8 DN (2017. 7)

またこの町に来る機会はあるのだろうか。こういう所って鉄道がなくなると、わざわざバスで行こうという気にもならず、一気に疎遠になってしまいそうな気がする。そう思うと、まだ行き残したところがあるのではないかと少し心残りになった。

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