« March 2016 | Main | May 2016 »

April 2016の3件の記事

April 30, 2016

[Journey] 福島県南相馬市~宮城県亘理町 '16. 4.30

16043001instation
Fukushima, SONY Cyber-shot DSC-W830 (2016. 4)

東日本大震災の前、原ノ町駅は上野と仙台を結ぶ特急列車が停まる駅だった。たしか、原ノ町行きの特急もあった。現在は、ここと、やはり常磐線の中間駅である相馬駅の間を、2両編成の普通電車のみが走る。復旧は、まだ暫定的だ。

改札の横に、白板で塞がれたスペースがあった。

「『立ち喰いそば』は駅向かい丸屋にて営業中-旧たんぽぽ-」

そう書かれた紙が貼ってあった。板の先には、立ち食いそばのカウンターがあったように思われた。駅そばも、まだ暫定営業のようだ。


16043002tampopo
Fukushima, SONY Cyber-shot DSC-W830 (2016. 4)

駅のすぐ近くにあった「喫…たんぽぽ 立ち喰いそばや」。ガラスの向こう側に映る木のテーブルと椅子は、喫「茶」であるならばシブすぎる。そして「立ち喰い」と書かれているのになぜ椅子があるのかと、ごく軽いツッコミも入れたくなるけれど、そこはまあ暫定ということで、温かい気持ちを持って店内へ。天ぷらそば玉子入りをいただく。


16043003soba
Fukushima, SONY Cyber-shot DSC-W830 (2016. 4)

そばを食べている間、常連客のような方々が入れ替わり立ち替わり来ていて、店は、そこそこ賑わっていた。おそらくは長い間地元の人たちに親しまれている存在なのだろうと想像する。

原ノ町から電車で一つめの鹿島駅で下車。駅のそばに、仮設住宅があった。


16043004kasetsu
Fukushima, SONY Cyber-shot DSC-W830 (2016. 4)

復興というのがどの時点で一段落すると見なすべきか考え方はいろいろあろうが、少なくとも、プレハブに住む人たちが残る間は、どう見ても復興が成し遂げられたとはいえないだろう。

海のほうへ向かって歩く。


16043005jinja1
16043006jinja2
Fukushima, SONY Cyber-shot DSC-W830 (2016. 4)

真新しい佇まいの神社があった。白木が朝日に映える。

この南右田神社は、昔、水はけの悪かった村に用水ができたことに感謝した村民が、1921年に、用水路を引いた代官の功績をたたえて作った。

周囲は、平らな水田地帯だった。

東日本大震災の津波は、神社とともにこの地域の家を襲った。住民は、神社のすぐそばにある野球場の内野席スタンドに避難した。たどり着けなかった人たちは、海に流されてしまった。神社には、この地域で亡くなった54名の方の名前が記された慰霊碑が建てられた。

そして社殿が、四年後に再建された。ところで説明板を読むと…


16043007jinja3
Fukushima, SONY Cyber-shot DSC-W830 (2016. 4)

「社殿再建となったものの残念なことに…

何があったのか。

非っ常~に気になったのだけど、結局、わからなかった。

神社から海岸まで、さらに1km以上歩く。

護岸工事が行われている傍らに、一本の松の大木が立っていた。


16043008ipponmatsu
Fukushima, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2016. 4)

現在、この木は「かしまの一本松」と呼ばれる。ここには、かつて数万本の松林があった。しかし高さ20mあったという津波で、この木以外のほとんどの木が流されてしまった。そして岩手県・陸前高田の「奇跡の一本松」と同じように、一本だけが残った。

かしまの一本松は、震災後もしばらくの間は青々とした葉をつけていたという。しかし防潮堤が壊れて高潮のたびに根元が海水に浸かってしまうようになったために、ここ数年で樹勢が弱まってしまったらしい。


16043009ipponmatsu2
Fukushima, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2016. 4)

地元では、この木の種から新たな木を植栽するなど、一本松の存在を語り継いでいく方法を考えているところだという。

駅に戻り、電車で相馬へ。

二年前に訪れたときは海岸のほうに行ったので、今回は市内中心部を歩く。


16043010souma
Fukushima, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2016. 4)

16043011soumajinja
相馬市は戦国時代から江戸時代にかけての大名・相馬氏の城下町だった。特に江戸時代には中村藩6万石の城下町として栄えた。街並みには今も当時の名残が見受けられる。

相馬氏の居城だった相馬中村城の本丸跡には、現在、相馬家の氏神としての妙見中村神社と相馬神社のふたつの神社がある。そのうちのひとつ、相馬神社でご朱印をいただく。

相馬神社は1880年に建立された。祭神として相馬氏の始祖・相馬師常とともに、妙見菩薩こと天之御中主大神(あめのみなかぬしのおおかみ)と相馬氏の氏神である平将門が勧請されている。なお、相馬氏は平将門の末裔にあたる。


16043012jinja
Fukushima, SONY Cyber-shot DSC-W830 (2016. 4)

相馬以北の常磐線については「2016年12月までに運転再開予定」と、掲示があった。

震災から5年経った今も、津波の影響で不通の鉄道が、まだ残る。

ここは前回と同様に、相馬駅と宮城県の亘理駅の間を結ぶ代替バスに乗車。


16043013bus
Fukushima, SONY Cyber-shot DSC-W830 (2016. 4)

バス終点の亘理駅に着くと、すぐに電車に乗り換えずに、駅の背後にある建物に向かった。ここは前回来たときに見つけて気になっていたのだけど、そのときは時間に余裕がなく立ち寄る時間がなかった。Wikipediaの亘理駅の画像を見ると、駅の背後にそびえたつお城のような建物だ。駅舎の反対側に回りこむ。


16043014zenkei
Miyagi, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2016. 4)

なかなか壮観だ。

入口へ。


16043015entrance
Miyagi, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2016. 4)

「悠里館」と書かれた看板の傍らに「図書館」「郷土資料館」と書かれている。

中に入る。

郷土資料館は営業時間外か何かで、入れなかった。

図書館は、…まあ普通の図書館だった。

あとは…


16043016naka
Miyagi, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2016. 4)

…役場の出張所っすかね。

なんだか期待とちょっと…いやタイミングが悪かっただけかもしれないけど…

(´・ω・`)

| | Comments (0)

April 29, 2016

[Journey] 福島県いわき市~南相馬市 '16. 4.29

16042901nakosostn
Fukushima, SONY Cyber-shot DSC-W830 (2016. 4)

JR常磐線の下り列車に乗り、福島県最初の駅が、この勿来(なこそ)駅。勿来は、古語の「来るな」という言葉に由来する。この「来るな」には、蝦夷の南下を防ぐ意味があったという説がある。


16042902map
Fukushima, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2016. 4)

8世紀頃、この近くにあった常陸国と陸奥国の境に、菊多関があった。この地は昔「名古曽」と呼ばれていた。そして江戸時代初期に磐城・平(たいら)藩は、ここに「なこそ関」があったと見立て、観光地化した。

先日訪れた白河関とともに、奥州三関のひとつとされた「勿来関」だ。

その勿来関は、町はずれの丘の中腹にある。


16042903nakososeki
Fukushima, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2016. 4)

関門の脇に建っているのは、平安後期の武将・源義家の銅像。

だが実際には、ここが勿来関だったという確たる証拠はないそうだ。

勿来関の場所に関しては、宮城県利府町名古曽ではないかとする説もある。

「名古曽」という地名は、このほかにも全国各所にある。もともとはなだらかな海岸の狭い平坦地を表す地形用語なのだとか。

また関律令体制を補完する格や律、古代歴史書の『六国史』にも、規定も名称も見えないことから、勿来関の存在自体を疑う説さえある。


16042904nakosokaigan
Fukushima, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2016. 4)

16042905kunitamagosyuin海岸に出る。遠くに見える横縞の煙突は、常磐共同火力の火力発電所のものだ。

発電所の反対方向、撮影した背後にあたるところは断崖になっており、そこが常陸国と陸奥国の境だった。またここは東京と仙台のちょうど中間地点にある。勿来駅前から東京・仙台への距離はともに177kmだという。

市街地へ移動し、國魂(くにたま)神社に足を運び、ご朱印をいただく。806年創建の由緒ある神社だ。

「いわき」はひらがな、「勿来」は漢字で書かれている。

昔は、勿来市という市があった。だが、1966年に大規模合併で、ここはいわき市の一部となった。いわき市は大規模合併の元祖的な存在で、その当時は日本一広い面積だった。

しかしここに住む人たちは、今も勿来という地名に誇りを持っているのではないかと思う。地名にふりがなが振られているのをあまり目にしなかったのだ。

…勿来です。「勿」は漢文で目にする、否定の意味で使う字です。なこそ、と読みます。来るな、という意味です。なぜ「来るな」かというと…

勿来関の存在の真偽はともかくとして、地名でこのような話ができるところに住む人が、それだけで私は少しうらやましい。


16042906kunitamajinja
Fukushima, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2016. 4)

常磐線の電車に乗り、いわき駅で途中下車。かつて平(たいら)という名前だったこの駅は、いわき市の要望で1994年に改名された。名前の通り、ここがいわき市の中心部に当たる。


16042907iwakicity
Fukushima, SONY Cyber-shot DSC-W830 (2016. 4)

夕食をとろうと駅前をしばし歩いたけれど、適当な店が見つけられなかった。それでは駅ナカで適当に何か買おうかと改札を抜けたけれど、駅の構内には売店すらなかった。東京から特急列車も来る駅なのに寂しい限り。

常磐線で北上を続ける。ここから先は普通電車しか走っていない。2年前に訪れたときと同じように、竜田駅で下車。鉄道が通じているのは今もここまでだ。駅がある楢葉町は、昨年、福島第一原発事故に伴う避難指示が解除された。それまで「避難指示解除準備区域」と呼ばれていたこの町は、立ち入ることはできても外泊はできなかったけれど、今は普通に住むことができるようになった。

駅前から、2年前にはなかったバスが走るようになった。南相馬市の原ノ町駅との間を結ぶ、鉄道不通区間の代行バスだ。このバスによって、常磐線は、一応、全線を通して乗りとおすことができるようになった。だが、あくまで、一応、だ。

この旅に出る前に、都内の駅で「常磐線経由で仙台まで」といって乗車券を買おうとしたところ、「…はぁ!?」と聞き返された。「えっと、竜田と原ノ町の間は代行バスでですね…」と、こちらからこのバス路線の存在を説明することによって、きっぷは売ってもらえたのだけれど。

それは、おそらくこの竜田-原ノ町間のバスが一日2本しか走っていないためだろう。原発事故前は特急列車も走っていたこの区間の代替交通機関としては、本数が少なすぎる。たぶん地元の人のための最小限の利用のみを考慮して設けられたように思われる。


16042908tatsutastn
Fukushima, SONY Cyber-shot DSC-W830 (2016. 4)

2年前とあまり変わらない様子の駅前から、この日の2番バスである原ノ町駅行き最終バスに乗る。乗客は7人。私が数えたわけではないけれど、車掌が「七人」と大きな声でどこかに報告していた。発車前に「この車は帰還困難区域を走るので、窓を開けるのは禁止とさせていただきます」とのアナウンスがある。帰還困難区域は、「5年たっても年間積算放射線量が20mSV(ミリシーベルト、マイクロシーベルト(μSV)の1,000倍)を下回らないと推定された地域」と定義づけられる。福島第一原発事故から5年経った今、現実が、目の前の闇の中にある。


16042909bus
Fukushima, SONY Cyber-shot DSC-W830 (2016. 4)

20時10分に竜田駅を出発したバスから見えた外の灯りは、街灯と、飲料自販機とコンビニとガソリンスタンドのそれだけだった。

私は線量計を持っていたので、車内の線量を計った。竜田駅を出たときの線量は0.12μsv/hだった。「帰還困難区域」の看板が目に入るようになると線量は0.3μsv/hを超え、その後数分間でみるみる上がり、最大で1.67μsv/hを記した。車内が暗くてまともに画像は残せなかったけれど。


16042912kikankonnakuiki
16042910senryoukei
Fukushima, SONY Cyber-shot DSC-W830 (2016. 4)

今まで0.1とか0.2μsv/hとかで一喜一憂していたのが馬鹿馬鹿しくなるほどの値だった。もっとも1μsv/hを超えたのは時間にしておよそ数分間のことで、すぐに数値は下がった。おそらくはトータルの線量で安全性は判断してくださいということなのだろう。地図で確認すると、線量が最も高かったのは福島第一原発に最も近い大熊町だった。

1時間ほど走って、ようやく生活感のある灯りが外に見えるようになる。ほどなくして原ノ町駅着。


16042911haranomachistn
Fukushima, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2016. 4)

駅近くでコンビニを見つけ、食料を調達。久しぶりにコンビニの存在をありがたく感じた瞬間だった。

| | Comments (0)

April 16, 2016

[Journey] 栃木県宇都宮市~福島県三春町 '16. 4.16

16041601kohteru
Tochigi, SONY Cyber-shot DSC-W830 (2016. 4)

宇都宮の名物といわれる餃子を食いながら、ぼんやりと考える。

今まで、食えないほどまずい餃子にはほとんど遭遇したことがなかったように思う。そしてまた、ここの餃子でなければ食う気がしないというほど旨い餃子にも、これまで逢ったことがなかったように思う。

…ということを考えてしまったのは、目の前にある餃子が、普段食べている王将や満洲のそれに比べて高価なせいかもしれない。


16041602kohterufigure
Tochigi, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2016. 4)

一夜明けて、宇都宮から北上する。駅前で、背後から朝日をくらう餃子像に遭遇。よく見ると餃子の中に人面が彫られていて気持ち悪い。


16041603shirakawastn
Fukushima, SONY Cyber-shot DSC-W830 (2016. 4)

東北線の普通電車を、白河で下車。この駅で降りるのは初めてだ。シブめの駅舎が格好いい。路線バスに乗り換える。農家が散在する光景の中を行く。30分後、神社の前にあるバス停で下りる。


16041604shirakawajinja
Fukushima, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2016. 4)

鳥居よりも「史跡 白河関跡」と書かれた標柱のほうが目立つ。ここには昔、白河の関があった。しかしここが関所として機能していた時期は意外に古く、平安時代中期には、もうなくなっていたのだとか。白河神社のほうは、315年に白河国造・鹽伊乃自直命(しほいのこじのあたいのみこと)を祀ったのが始まりとされており、神社は、関の栄枯盛衰を見守ってきたことになる。


16041605sekinoato
Fukushima, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2016. 4)

16041606gosyuin神社の社務所でご朱印をいただこうとすると「『白河の関』と『白河神社』の二種類がありますが」とサンプルをご提示されたので、白河の関バージョンを賜る。

白河の関に通じる道路は、現在、旧東山道と呼ばれる県道76号。旧奥州街道(国道294号)とはまた別の道で、江戸時代には道路もメインルートとしての機能は失っていたようだ。

それにも関わらず、後世に多くの歌人が「白河の関」を歌枕としたのは、この場所に、みちのくに至るマイルストーンとして大きな意味を持たせたかったからではないかと感じる。

光台に見しはみしかはみざりしを
ききてぞ見つる白河の関
(証空上人「新千載和歌集」)

平安後期の僧・証空が、奥州への旅の途中で、同行した蓮生に「白河の関はどのあたりなのですか」と尋ねると、蓮生上人は「ただ今通り過ぎた所が白河の関です」と答えた。証空は、見ることができなかった白河の関を光台(阿弥陀仏の説く極楽浄土)に例えてこの歌を詠んだという。


16041606kahi
Fukushima, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2016. 4)

再び東北本線の電車で北上し、郡山で磐越東線に乗り換える。臨時列車が出ていた。沿線の三春にある、滝桜と呼ばれる有名な桜の、花見客を見込んだ列車だった。


16041607rinji
Fukushima, SONY Cyber-shot DSC-W830 (2016. 4)

三春駅で改札を抜けると、システマティックに滝桜行きのバスに誘導される。

滝桜の入口は大勢の人で賑わっていた。桜の木はまだ見えないけれど、開花状況がボードに示されていた。


16041608bimyou
Fukushima, SONY Cyber-shot DSC-W830 (2016. 4)

「満開」と「落花しきり」の中間を矢印が指している。思わず足を早めた。もっとも、ここで早めてもあまり効果はないだろうけど。


16041609takizakura1
16041610takizakura2
Fukushima, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2016. 4)

滝桜は、見る角度によっては既に淋しくなってしまった状態だったけれど、角度を変えればまだまだ大丈夫に見えるという、なんだか微妙な年頃の男性の頭髪を連想させてしまう状態だった。

それでも、何とかこの町最大のイベントに間に合うことができたようなので、とりあえずは満足。みちのくは、これから春がはじまる。


16041611miharustn
Fukushima, SONY Cyber-shot DSC-W830 (2016. 4)

| | Comments (0)

« March 2016 | Main | May 2016 »