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September 14, 2014

[Tour] 宮城県・南三陸 '14. 9.14

気仙沼には「気仙沼」という沼は無い。

地名の由来は、アイヌ語の兄弟語である古代エミシ語の「ケセモイ」(一番南の端の港、境目の港という意味)とする説が有力とされる。

しかし「気仙沼から海を見ると目の前に大島という島があり、その内湾がまるで沼のように見えたので、気仙沼と呼ばれるようになった」という説もある。

この辺りの地名がアイヌ語から付いたと考えるのは、ある意味で新鮮味がないので、大島が近くに見えそうなところに行って、実際に沼っぽく見えるかどうか検証しようと、今朝は、まず、大島に近い町外れの海岸へ足を運んでみる。

BRTの停留所から海岸へ向かって歩く。

途中から道路が荒れはじめる。


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Miyagi, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 9)

雑草が茂る間に、家屋の土台や崩れた塀が埋まっている。

ここも津波の被害を受けている。

しかしここには、今までに見た被災地と大きな違いがあった。それは、復興の気配が感じられないことだった。瓦礫が退かされた後、おそらくそのままの状態で3年半が経っている。

「廃村」という言葉があるけれど、ここは、「廃れた」のではなく「棄てられた」村のように目に映った。人の手で棄てられたのではなく、津波によって。


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Miyagi, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 9)

残酷かもしれないけれど、「このままでよいのか」という思いもこめて、敢えて率直に感じたままを書かせていただく。

…で、「目の前に大島があると気仙沼の海は沼に見えたか」といえば、さすがにこんな光景を見た後では「沼で津波が起こるわけがないだろう」という憤りを含んだ思いしか浮かばなかった。


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Miyagi, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 9)

さらに南へ。志津川駅でバスを降りる。

南三陸町は、志津川駅があった沿岸部を中心に、町が開けていた。震災後、町役場などは数キロ内陸部に入った高台に移転し、BRTの駅も併せて移動していた。その、駅近くにある仮説商店街の入口には、今年、天皇陛下が訪問されたことが誇らしげに書かれていた。


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Miyagi, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 9)

鉄道線路はほぼ全て波に呑まれてしまったようで、線路が通っていたコンクリート橋や盛り土から、かろうじて鉄道があった場所だけは判別できた。


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Miyagi, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 9)

かつて市街地があった場所もほぼ更地になったままだったけれど、その中に、鉄骨だけの建物がぽつんと残っていた。防災対策庁舎の跡だ。


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Miyagi, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 9)

震災直後、防災無線で町民に避難を呼びかけ続けて自らは津波の犠牲となってしまった女性職員の話が、大きく報道された。彼女がいたのが、この建物だった。震災直後に予想された、この地域の津波の高さは6mだった。防災対策庁舎の屋上は、12m。実際の津波は15.5mの高さだったという。三階建ての庁舎の屋上に避難した人の多くが、亡くなったり行方不明になったりした。三日前に見た、岩手県の大槌町役場を襲った津波は二階までの高さだったため、屋上に逃げていた人は助かった。

彼らの生死を分けた差は何だったのか。

しばらく考えたけれど、「たられば」以上のことは浮かばなかった。


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Miyagi, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 9)

ツーリングの自転車が目につく。あとで調べたところ、「ツール・ド・東北2014」という大会が行われ、今日、1,258名が南三陸町を通るルートを走ったようだ。


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Miyagi, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 9)

快走するチャリに追い越されながら、志津川の次の陸前戸倉駅まで、ちんたらと歩く。陸前戸倉の駅に貼られていた、避難経路の案内が目に留まった。


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Miyagi, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 9)

避難先になっている「ふれあいセンター」は、ここから2.2km先とある。今、ここで避難しなければならない状況になったとして、逃げ切れるだろうか。しばし思考が止まる。


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Miyagi, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 9)

バスに乗り、BRT終点の柳津(やないづ)へ。ここで鉄道に乗り換え。しかし列車が、2時間近くない。もともと、気仙沼から柳津を経てこの先の石巻市にある前谷地(まえやち)駅までは、気仙沼線という一本の鉄道路線だった。現在は、この柳津駅までBRTによるバス代行となっているけれど、バスと列車はきれいに接続がとられているわけではないようだ。どこか時間がつぶせるところがないかと思い、駅前の案内図を見る。


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Miyagi, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 9)

2.8km先にある「もくもくランド」か、3.7km先の「虚空蔵尊」がとりあえずここの観光スポットのようだ。しかしながら、先ほどまで長々と歩いてきた身には、費用対効果ならぬ体力対効果は今ひとつ得られないものと判断。駅の周辺のみ散策して列車を待つ。


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Miyagi, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 9)

のほほんとした標語に、僅かばかり癒される。

日が傾き始めた夕方の列車で、石巻へ向かう。本日はここまで。


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Miyagi, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 9)

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