« April 2014 | Main | July 2014 »

May 2014の8件の記事

May 18, 2014

[Tour] 青森県・下北半島 '14. 5.18

六ヶ所村は日本海に面しているだけでなく、内陸部にも青森県最大の湖である小川原湖や鷹架沼、尾駮沼といった湖沼を持つ。昨晩泊まったホテルも、そのひとつである尾駮(おぶち)沼に面している。

朝、部屋の窓を開くと、沼に近い駐車場に留めてある車の脇に、大きな鳥がいる。


14051801maybeswaninrokkasyo
Aomori, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

…白鳥?

白鳥が今の時期に日本にいるものだろうか?一羽だけ北へ帰りそこねたのか、あるいは白鳥に似た種類のそっくりさん(?)か。もっとも六ヶ所村の沼には、冬場、白鳥は普通に飛来するそうだ。5月に白鳥が残っている可能性も、全くないわけではない。

あまり深く追究せずに宿をチェックアウト。今日はまず、村のはずれにある原燃PRセンターへ向かう。バスに乗れば10分もかからずに行くことができるのだけど、現在、六ヶ所村のバス路線は本数が少なく、日曜日は3本しか走っていない。そこで効率的に移動するために、ホテルからPRセンターまでの6kmは朝の運動も兼ねて歩くことにする。


1405182roadinrokkasyovillage
Aomori, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

おそらくは諸事情により、この村の道路はとてもきれいに整備されている。歩行者がほとんどいないのに立派な歩道も作られていたので、快適に歩いていくことができた。もくろみ通り、ちょうど開館の時間にPRセンターに着く。


14051803prcentre
Aomori, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

ここにも何度か来たことはあるけれど、震災後は初めてだ。もともと資料や展示物は豊富にあり、見どころは多いのだけど、昔に比べて私の、この方面の知識量が増えたためか、路線バスの時間までの約1時間では見学時間が足りなかった。


14051804inprcentre1
14051805inprcentre2
Aomori, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

若干後ろ髪をひかれる思いで、六ヶ所村を後にする。

続いて目指すのは、小川原湖。

その名前は何度も耳にしたことがあったけれど、これまで行ったことがなかった。

1960年代に「むつ小川原開発計画」と呼ばれていた、六ヶ所村に大規模工業地帯を整備する、夢の開発計画の中で、小川原湖は、その豊富な水量を活かして工業用水の取水源にしたり、淡水化して水道事業を行ったりするという案があった。しかし結局、開発計画自体がほぼ夢のまま尻すぼみとなったため、小川原湖もほとんど手をつけられることなく現在に至っているようだ。

小川原湖の北側は、六ヶ所村に面している。だが、六ヶ所村の中心部から直接湖畔に行くことができるバス路線等の公共交通機関はない。そこで四角形の三辺をなぞるように大回り(「匚」のような感じで)して、湖の南側からアプローチする。

バスの終点・野辺地駅から青い森鉄道の普通列車に乗り、上北町駅で下車。


14051806fishinogawarako
Aomori, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

およそ上記のような魚貝類がいるのかと、みやげ店の看板から推測する。

20分ほど歩くと、湖畔が見える。


14051807lakeogawara
Aomori, SONY α390 with SONY DT18-135mm F3.5-5.6 (2014. 5)

入口のゲートの上に二人の女性が立っている。…人形です。念のため一応。

彼女たちは、この湖にまつわる有名な伝説-飛鳥時代、橘中納言道忠公の二人の娘が父を探してこの地に来たときに父の死を知り、嘆き悲しんでここで入水してしまったという話-に基づく存在だ。


14051808lakeogawara2
Aomori, SONY α390 with SONY DT18-135mm F3.5-5.6 (2014. 5)

湖畔にはキャンプ場などもあって良さげな雰囲気だけれど、訪れているのは地元っぽい人がほとんどだった。

先を急ぐ。さっき通ってきた野辺地で、今日、「常夜燈みなと祭り」をやっているというので、野辺地まで引き返す。

「野辺地の常夜燈」というのは1827年に建てられた、現存する日本最古の常夜燈なのだそうだ。といっても現在は使われていないけれど。

野辺地駅から港のほうへ向かう。途中で見かけた中学校では、運動会が行われていた。昨日の菜の花フェスティバルといい、この辺りには、週末、一気に遅い春がやって来たような勢いだ。


14051809jouyatou
Aomori, SONY α390 with SONY DT18-135mm F3.5-5.6 (2014. 5)

海に面した常夜燈の脇、漁業協同組合の作業場の辺りのスペースで「みなと祭り」が行われていた。この日の主な催し物は「ホタテすくい競争」「ぢまきホタテ貝つめ放題(限定100人)」「親子ホタテ釣り競争(限定60人)」、地元出身のアイドルの方の「歌謡ショー」など。いやなかなか中味の濃いイベントだった。


14051810festivalstage
Aomori, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

祭り終了後、駅へ戻る道すがら「野辺地町立歴史民俗資料館」というのを見つけて、寄り道する。入館券を買うと、いきなり職員の女性から「すみません値上げしてしまいまして」と、謝られる。よく聞くと、消費税率アップに伴って入館料が¥200から¥210に上がったということ。何も、初対面でしかもイチゲンの私に謝罪するほどのことでもないのだけど。

この職員の方がこれまた親切で、懇切丁寧に館内資料の説明もしていただいた。また、この類の場所では珍しく「写真は自由に撮ってください」と言っていただいたので、好きに撮らせていただきました(フラッシュは自粛)。


14051811nohejimueum2
14051812nohejimuseum1
14051813nohejimuseum3
Aomori, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

以上をもって下北半島の旅、終了。今回も、二日間盛り沢山でした。


14051814annnaizuinshimokita
Aomori, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

恐山とか大間とか仏が浦とか薬研温泉とか、今回も、かすりもしなかった。

| | Comments (0)

May 17, 2014

[Tour] 青森県・下北半島 '14. 5.17

14051701mutsuyokohamastn
Aomori, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

下北半島の西側を縦断するJR大湊線の、陸奥横浜駅。

駅舎の壁が淡い黄色と緑に塗られているのは、横浜町の名産である菜の花を表したものだろう。そして今日は、この町最大のイベント、『菜の花フェスティバル in よこはま』が行われる。


14051702feskaijou1
Aomori, SONY α390 with SONY DT18-135mm F3.5-5.6 (2014. 5)

菜の花フェスティバルは、毎年、だいたい5月中旬から下旬の間の土日二日間に開催される。

天気はよいのに、少し寒い。冷たい風も吹いている。もっとも関東などで菜の花が咲くのは1ヶ月以上早い時期だから、それはまた、東北の春の訪れの遅さを裏付けるものでもある。


14051703feskaijou2
14051704feskaijou3
Aomori, SONY α390 with SONY DT18-135mm F3.5-5.6 (2014. 5)

この町の菜の花作付け面積は北海道滝川市と日本一を争っており、今年は横浜町がトップの座を奪還したという。フェスティバル冒頭の町長のご挨拶で、そのことが、やや誇らしげに語られていた。もっとも、滝川市も天候不運で作付けを減らしたらしいので、あまり手放しで喜ぶのもちょっと失礼だろう。


14051705mutsuwan
Aomori, SONY α390 with SONY DT18-135mm F3.5-5.6 (2014. 5)

このあたりには、過去何度も来たことがある。メシを食ってから適当に海岸でゴロンと時間をつぶすのが通常のパターンなのだけど、今日は、昼過ぎから雲ゆきが怪しくなりはじめる。降水確率は30%。「30%の確率で雨に遭うかもしれない」と考えていたところ、「本降り×0.3」くらいの量の風雨を食らう。


14051706aritostn
Aomori, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

第二次大戦直後、下北半島の東側にある六ヶ所村に行く人は、この有戸駅で大湊線の汽車を降りて馬車に乗り換え、二時間かけて村へ向かったという。

今日、私は、駅の近くにある、木造の崩れそうな待合所で、17時33分の六ヶ所村行き最終バスを待つ。


14051707aritobussstop
Aomori, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

下北半島を横断するように走るバスに乗り、40分ほどで六ヶ所村に着く。インターネットで予約していたホテル(村内でほぼ唯一ネット予約可能なビジネスホテルでもあった)は、バス・トイレ共同の和室だった。


14051708inhotel
Aomori, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

「ホテル」と名がついた宿で和室に泊まるのは、ハトヤ以来のような気がする。

| | Comments (0)

May 05, 2014

[Tour] Busan / KOREA '14. 5. 5

140505140step1
Busan (KOREA), SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 5)

昨日訪れた龍頭山公園の近くに、「四十階段」という階段がある。朝鮮戦争の頃、この周辺に避難民が集まって住みつき、階段で港から入ってきた物資を売っていたという。現在は、朝鮮戦争の、苦難の象徴のひとつとして整備され、周辺には当時の人々の生活を模したブロンズ像がいくつか置かれている。


140505340setp3
140505240setp2
140505440setp4
Busan (KOREA), SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 5)

映画のロケ地としても結構使われてきたそうな。この国の歴史表現には、独特の重さがある。


1405055busancity
1405056airbusan
Busan (KOREA), SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 5)

午後の飛行機で帰国。最初チケットを予約してあったANA-アシアナ航空の共同便は、予約後にANA撤退で廃止された。空港に来てみると、予約した便は、アシアナ傘下のエア・ブサンというLCCとの共同運航便になっていた。関空までの飛行時間は1時間。機内食は軽食のブリート1個。それが配られたとき、飛行機は既に鳥取県米子の上空を飛んでいた。関空で羽田行きに乗り換えて、深夜に帰宅。

振り返ると、距離は短いながら、いろいろと濃厚な旅でした。

やっぱ実際に足を運んでみないことには、自分の意見は強く語れませんな。

| | Comments (0)

May 04, 2014

[Tour] Busan / KOREA '14. 5. 4

1405041chinatownsschool
Busan (KOREA), SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

「韓国には中華街がない」と、昔どこかで聞いたことがあった。しかし今朝、釜山の駅近くを歩いていると、中華料理屋が並んだ通りを見つけた。通りには中国人子弟向けの学校もあった。あるじゃないか中華街。


1405042busantower
Busan (KOREA), SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 5)

釜山タワーのある龍頭山公園へ足を伸ばす。

高さ120m。通天閣より少し高い。ただし元が高台に建てられているため、実際の高さ以上に眺望がきく。エレベーターで展望台へ上がる。前に来たときより人が多い気がする。


1405043fortunetellermachine
Busan (KOREA), MINOLTA α-5xip with MINOLTA AF ZOOM 24-50mm F4 (1998. 4)

以前ここに、このような(↑)謎のじいさん占い機があって、占ってもらった(たしか手相占いの結果が、日本語で紙に印刷されて出てきた)。ほのかに再会を期待していたけれど、展望台の中はすっきり片付けらており、単に、客でごった返していた。


1405044inbusantower
Busan (KOREA), SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

続いて港に近いチャガルチ市場へ。ここも前回来たところだ。おおよそ変わらぬ印象。


1405045chagaruchi
1405046fishteisyoku
Busan (KOREA), SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

大味な感じの焼魚定食をいただく。塩焼きの魚に大味もクソもあるかという気もするけれど、日本でないところで和食風の料理を食っているという心理的影響があるのかもしれない。

市内中心部へ戻り、釜山近代歴史館へ行く。ここは2003年にオープンしたというから、前回行ったときには、なかった。もともと古代の歴史にあまり興味のない私にとって、こうしたカテゴリー分けがされている博物館は喜ばしく、結構、期待して入った。


1405047kindai
Busan (KOREA), SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

ここは昔、日本の旧・東洋拓殖株式会社釜山支店であった建物だという。館内の展示は、ほぼ全てが日本の植民地時代のものと、その説明だった。そして、出口近くの休憩所では、竹島(韓国でいうところの独島)のライブ映像が大きなスクリーンに映し出されていた(※館内は撮影禁止だったので画像はありません)。

いろいろ消化不良な部分はあったけれど、もっとも気になったのは、この国にとっての「近代」とは、全てが日本植民地時代ということなのだろうかということだった。今日は、この先、特に具体的な予定をたてていなかったので、もうちょい掘り下げてみようと、市の郊外にある、近代歴史館の親玉的存在の釜山博物館にも行ってみることにした。


1405048busanmusium
Busan (KOREA), SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

ここには、近代のみならず古代から現代まで幅広い歴史の説明と展示物がある。その歴史の中で日本が初めて登場するのは、1404年の開港(「李氏朝鮮と日本の間の外交と貿易のために釜山と薺浦が開港した」と英語で記されていた)、続いて1419年「応永の外寇」、1592年の「釜山鎮の戦い」だった。その後に説明されている韓国と日本の歴史も、ほぼ、戦いの歴史であった。近代は、やはり、植民地時代が全てだった。そして第二次大戦後は現代となるわけだけれど、朝鮮戦争の説明の箇所では英語表示がなくなっていた(中国語の説明はあったので何となく意味はとれた)。近い国だからこそ、その歴史、そして歴史にまつわるもろもろは奥が深く、興味深く感じられた。


1405049texas
Busan (KOREA), SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

朝に通った釜山駅近くの中華街につながる飲み屋街には、「テキサス通り」という名がついている。名前の通り「テキサス」という店もあるけれど、その語源として、米国のテキサス州にあった、1階で酒を出して2階で売春をするというスタイルの居酒屋…のような店がここにかつてあったから、という説がある。それを聞いたとき私は、バンコクの中華街にある、「テキサス」という名の、とある大きな店のことを思い出してしまったのだけど。

夜になると、この界隈は外国人向けの飲み屋が店を開けはじめる。その先にある中華街も店に灯が点り、独特の雰囲気を醸す。しかしちょっと寒いせいか、あるいはやはり先日のフェリー事故(この日も駅前では集会が行われていた)のせいか、今ひとつ盛り上がらず。

暗い通りを歩いていると、何人かの女性がスルスルッと近づいてきて「…アガシ」「…アガシ」と囁きかける。深夜、東京都内の駅前などで怪しげな女性から「…マッサージイカガデスカ」と囁かれるのと、同じ口調だ。あれって、これと同じ類なのだろうか。今さらながら意外な共通点に気づいた、釜山の静かな夜。


14050410chinatown
Busan (KOREA), SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

| | Comments (0)

May 03, 2014

[Tour] Busan / KOREA '14. 5. 3

比田勝港から韓国の釜山までは76km。もはや、厳原へ戻るのと国境の向こうへ行くのと、たいして変わらない。

ここで、電話予約していた釜山行きの高速船のきっぷを購入。JR九州と、韓国の「未来高速」という会社が共同運航しているこの航路、次の便は韓国持ちの『コビー』という船。出航を待っている乗客のほとんどは韓国人のようだ。外見では区別できないのだけど、耳に入る言葉のほとんどは、韓国語だ。日本人は、多く見積もってもせいぜい1~2割くらいだろうか。しかし日本国内なのに、これだけアウェー感があるとは思わなかった。


1405038waitingroom
Nagasaki, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

14050312stamp出航時刻のおよそ20分前、待合室にたむろしていた人たちが突然一斉に席を立ち、移動をはじめる。慌ててついていくと、皆、旅客船ターミナルの隣の、小さな平屋の建物へ向かっている。前後左右の乗客は、おそらくほぼ全て韓国人なので、思わず、唯一間違いなく日本語が通じそうな人である、この建物の職員らしき人を探して(日本なのに…)「これって出国審査ですか?」と聞く。

どうも、この平屋の建物が、比田勝港の国際ターミナルのようだった。

あーしまったぁあまりにも平凡な建物だったので油断して写真を撮っていなかった(画像はWikipediaのページで見ることができます)。

イミグレの手前で、女性職員から半券をモギられる。ついさっき、隣の建物できっぷを買ったのと同じ人だ。出国審査を通過し、乗船してから港を振り返ると、その女性職員が、今度は船のお見送りに岸壁に立っていた。


1405039kobee
Nagasaki, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 5)

天候がよいためか、船は、たいして揺れることもなく、快調に進む。30分くらい経ったところで、携帯電話の電波が圏外になる。韓国の電波を探ってみると、ツノが二本立った。この船では、携帯電話から逃れることはできないようだ。


14050310busanport
Busan (KOREA), SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

1時間ちょっとで釜山着。以前、1998年にこの町を訪れたときも、船で来た。そのときは山口県の下関から夜行フェリーに乗って、朝に着いた。今日は逆に、日暮れ時の到着だ。16年前のおぼろげな記憶を頼りに、市街まで歩いてみる。

昔より、町が遠く感じる。年齢のせいなのか、地図をろくに見ていないせいなのか、日没にさしかかる時間帯のせいなのか。


14050312busanstn
Busan (KOREA), SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

日が落ちた頃に釜山駅に着く。駅前で、若者中心の集会が開かれていた。よくわからないけれど、なんとなくお悔やみっぽい雰囲気が伝わってくる。


14050311tsuitosyukai
Busan (KOREA), SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

あとで調べたところ、つい二週間前に起きた、百人以上の死者を出したフェリー転覆事故の追悼集会だった。

| | Comments (0)

[Tour] 長崎県対馬市 '14. 5. 3

対馬空港の近くで路線バスを途中下車し、海岸へ向かって歩く。


1405031beachintsushima
Nagasaki, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 5)

十数分で砂浜が目の前に広がる。朝の浜辺は、まだ少し寒い。

リアス海岸が連なる対馬では、砂浜は、どこにでもあるものではない。勝美ノ浦、という名のこの海岸は、夏は海水浴場になる。さすがに今の時期はまだ誰もいないのではないかと思っていたけれど、厳原の町からも近いせいか、子供連れで散歩に来る人や学生などが入れ替わるように姿を見せ、ひと気がまったく途絶えることはなかった。

空港に戻り、比田勝行きのバスに乗車。車内には十数人の韓国人旅行者がいた。ツアー客がわざわざ好きこのんで路線バスに乗るわけもないだろうし、多くは個人旅行者だろう。運転手は、ほぼ全て日本語で客をさばく。韓国人も例外ではない。以前、京都で乗った市バスの運転手も、外国人観光客相手に頑なに日本語で話していたことを思い出した。少し気の毒に感じたけれど、考えてみれば、これまで私も海外で、予約不要の路線バスではほとんど英語を話した経験がない。路線バスとは、万国共通そんなもんなのかもしれない。


1405032busterminalinhitakatsu
1405033unnchinhyou
Nagasaki, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

昼過ぎに比田勝に到着。待合室に貼られていた運賃表が、字体といい、料金といい、まるで昔のローカル線の駅のそれのようだった。

ここは対馬の北端に近い。ほんとうの、日本の端っこだ。数百メートル離れたところにある港から、釜山行きの高速船が出ている。いっしょにバスに乗ってきた韓国人の多くは、港のほうへ歩いていった。


1405034hitakatsucity
Nagasaki, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 5)

しかし先入観なしに見れば、ここも平凡な田舎の港町だ。小さな商店街こそあるけれど、外貨両替ができそうな銀行や両替所は見当たらず、予備知識なしに外国人がいきなりこの町に降り立ったらおそらく面食らうだろう。


1405037dfsinhitakatsu
Nagasaki, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

港へ行く途中で、免税店を発見した。初めて見つけた、国境的な場所だ。中をのぞくと、「アンニョンハセヨー」と店員から声をかけられた。黙っていると「…にほんじんですか?」と訊かれた。「そう」と答えたところ、「にほんじんはだめです」と言われた。「見るだけ」と言ったら、しばらく別の店員と話してから「…みるだけもだめです。すみません」と断られた。

…というわけで、店内の様子は書きません。


1405036hitakatsuport
Nagasaki, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 5)

夕方まで町をぶらぶらする。暖かくなってきて、海から来る風がちょうど心地よい。港にあるフェリーターミナルに入ってみる。中は、船を待つ韓国人で賑わっている。


1405035ferryterminal
Nagasaki, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

…さて。へへへ。

| | Comments (0)

May 02, 2014

[Tour] 長崎県対馬市 '14. 5. 2

午前7時前に朝食を買いにコンビニへ行くと、今日の朝刊がきちんと売られていた。内地では当たり前のことだけれど、離島では朝イチのフェリーが到着するまでその日の新聞が入手できないことも多いので、感心する。調べてみたところ、福岡市を深夜に発ち、厳原港に5時30分に着くフェリーがあった。おそらく、その船に積まれてきたのだろう。


1405021izuharakou
Nagasaki, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 5)

しかし、この島と本土を結ぶ飛行機や船はほとんどが福岡県からのものなのに、ここが「長崎県」なのは違和感がある。新聞の地方版も「長崎・佐世保」版。テレビでは長崎の民放局が長崎市内のデパートのコマーシャルを流していて、悪いけど広告効果がないなーと思ってしまった。


1405022newspaper

厳原7時5分発の、縦貫線のバスに乗る。¥1,000で、1日、路線バス乗り放題のフリーきっぷはとてもお得感がある。しかし実は、この島のバスは本数が少ない。北部の代表的な町・比田勝(ひたかつ)へ行く、対馬では幹線の部類に入ると思われる縦貫線も、7時5分の次の便は11時10分。比田勝まで行くのは、1日4本。時刻表を見ると、全てのバス路線のうち半数近くは1日3本以下だった。

バス以外に、旅行者の交通手段として、タクシーやレンタサイクルもある。だが、それらを移動手段として活用するには、この島は微妙にやや大きい。このため実際には、この島に来る観光客にとっては、レンタカーがもっとも主流の交通手段のようだ。

およそ1時間で仁位(にい)に着く。「和田都美(わだつみ)神社、烏帽子岳へお越しの方は次でお降りください」と、車内アナウンスが流れる。おそらくこれらは、対馬では主要観光地なのだろう。だが地図で見ると、バス停から、その和田都美神社や烏帽子岳までは、5km以上離れている。この間、公共交通機関の類はほぼ皆無。従って、最寄のはずのこのバス停から先は、覚悟の歩き旅だ。

入り江を横目に歩く。「対馬の海岸はリアス式のところが多い」と事前学習していた通り、海岸線が面白いようにデコボコしている様子が実感できる。ソニーのカメラについている「スイングパノラマ」機能を使って撮影してみた。


1405023riastyle
Nagasaki, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

1時間ほど歩いて、和田都美神社に着く。


1405026wadatsumi3
1405024wadatsumi1
Nagasaki, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

この和田都美神社は、古事記の中にある「海幸・山幸」の山幸彦(彦火火出見尊)と、その妃・豊玉姫命を祀っている。創祀時期は不明とされているけれど、実は、気が遠くなるほど長い歴史があるのかもしれない。


1405025wadatsumi2
Nagasaki, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 5)

海上に浮かんでいるように見える鳥居もある。広島県・宮島の厳島神社っぽい。

和田都美神社から烏帽子岳展望台までは、約2kmとある。事前学習では「すぐ近く」的な書かれ方が多くされていた。けれども、それはあくまで自動車など汗をかかなくてよい交通手段を使ったときの話であって、海の際にある神社から見晴らしが利く山の展望台まで2kmの坂道を登るのは、少し考えてみればわかる通り、やっぱりそれなりにハードだった。もっとも、そうして行き着いた展望台から見えた、モコモコした陸地と複雑な海岸線が織り成すリアス式光景は、また格別だった。


1405027eboshidake
Nagasaki, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 5)

帰りのバスの時間まで、少し余分に道路を歩いてみる。バスに乗ってきて気づいたことだけど、この島には高速道路がない。そして同時に気がついたのは、今の日本、内地では、相当な田舎でも高速道路の類が当然の如く通っているということだった。


1405028cautionyamaneko
Nagasaki, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

午後のバスで厳原へ戻り、あらためて町をぶらつく。街中で見かける旅行者は、韓国人の姿が目立つ。対馬は韓国に近く、毎日、複数便の高速船が、厳原や比田勝と釜山港の間を運航している。

釜山からの目線で考えると、対馬は「近い異国」という存在ではあるけれど、対馬だけ行って「日本に行ってきた」というのも、ちょっといかがなものだろうかという気がする。わかる人にはわかる例えでいえば、ジョホールバルへ行って「マレーシアに行ってきました」とか、タチレクやミャワディーへ行って「ミャンマーに行ってきました」とか言うようなものだ。要は「その国の代表的な町とはちょっと違うだろ」的な存在の所なのだ。

で、そうしたちょっと違うだろ的なところに来た異国人は何をするかといえば、まずは買い物だ。タチレクやミャワディでは国境のすぐそばに市場があるように(…って、これもわかる人にしかわからない例えなんだけど)、厳原の町にも、韓国人向けの土産物屋が数軒あった。


1405029borderstore
14050211tsuushinshi
Nagasaki, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 5)

しかし、ぶっちゃけて言えば、それ以外に、この町には、ふらっと訪ねてきた外国人が面白いだろうと感じるスポットは少ない気がした。そのせいか、所在無げに町を歩く韓国人も目についた。

そしてもうひとつ感じたのは、日本人旅行者の少なさだ。韓国人旅行者が目立つのは、逆に言えば日本人の旅行者が少ないためもあるだろう。昨日、空港に出迎えにきていた数台のレンタカー会社のバンに乗っていたのを見た何人かの観光客以外に、日本人の旅行者はほとんどいないのではないかとさえ思った。


14050210nomiya
Nagasaki, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 5)

そんなこんなで、他の町や島や、はたまたヨソの国の国境の町とも違う異彩を放っているように見えたのが、私が感じた対馬の姿だった。

| | Comments (0)

May 01, 2014

[Tour] 長崎県対馬市 '14. 5. 1

福岡空港を離陸したプロペラ機は、水平飛行に入って10分ほどで早くも着陸態勢に入った。ほどなくして「対馬やまねこ空港」に着く。


1405011airport
Nagasaki, SONY Cyber-shot DSC-W730 (2014. 5)

日本地図の左隅にある対馬も、飛行機で行けば近い。東京を早朝に出発し、お昼前には島の中心地・厳原(いづはら)の町へ来ることができた。

1まずバス停に隣接したショッピングセンター「ティアラ」の中にある対馬交通のオフィスに足を運び、路線バスのフリーきっぷを買う。南北に約80kmある対馬の島内を同社のバスに乗ると、最大で片道¥3,000以上かかる。これに対して対馬交通には、休日のみ発売される1日フリーパス(¥1,000!)、また¥5,000で1ヶ月乗り放題(!!)という、これって定期券買う人誰もいないんじゃない的なきっぷがある。今日と明日は1日フリーパスはないだろうと思い、それでもいっぺん島の端まで往復すれば元が取れてしまう1ヶ月乗り放題のきっぷを買おうとしたところ、「ゴールデンウィーク中は毎日が1日フリーパスの対象です」と担当者に言われる。なんという大盤振舞い。ありがたく滞在予定日数分の1日フリーパスを買う(なお、1日フリーパスはバス車内でも売っていることをあとで知った)。


1405012street
Nagasaki, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 5)

厳原は昔の城下町。風格のある町並みもあちこちに残っている。


140503oldgate
Nagasaki, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 5)

意外に、といっては失礼かもしれないけれど、島全体で人口30,000人と聞いていた割には、お店の数も多く、市街も古びてはいるけれど寂れた雰囲気は少ない。本土からの交通が不便であるがゆえに、いわゆるストロー効果が小さく、島の中で生活が完結できるような体制が保たれているような気がする。


145014streetoflateredline
Nagasaki, SONY α6000 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2014. 5)

宿泊したホテルの前に、小さな川がある。この川に沿った道路の辺りには、昔、赤線があったという。町の規模の割に、そのような場所が存在していたということは、交易が盛んで人の流れが多かったひとつの証だろう。現在、往時の面影は、川辺に植えられた柳並木から感じられるのみ。

| | Comments (0)

« April 2014 | Main | July 2014 »