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April 27, 2013

[Tour] 夕子の歩いた道を辿る (0)

1304271bookはじめに

京都名物の和菓子・八ツ橋の「夕子」。

その名前は、水上勉の小説「五番町夕霧楼」の主人公、片桐夕子に由来する。

この小説は、丹後の小さな村で生まれ育った片桐夕子とその幼なじみである学生僧との悲恋を描いた物語だ。夕子は、家族を養うために1951年(昭和26年)19歳で村を離れ、京都市内にあった色町・五番町の遊廓「夕霧楼」で働き始める。そこで夕子は好色の資産家・竹末(たけまつ)甚造に気に入られ、彼は夕子を妾にしようと企む。しかし一方で彼女は、市内の寺で修行する同郷の青年僧、櫟田(くぬぎだ)正順を好いていた。夕子に会うために夕霧楼に足繁く通う正順を疎ましく思っていた甚造は、正順が住み込んでいた寺の住職に彼の廓通いを密告する。そのうち夕子は結核を患い、入院してしまう。夕子に会えなくなったことや日々の修行に対しての不満が鬱積した正順は、寺に放火し、逮捕後に留置所で自殺。事件を知った夕子も病院をひそかに抜け出して故郷に戻り、幼い頃に正順と遊んだ墓地で正順の後を追うように自殺してしまい、そこで話が終わる。

個人的に、私と、この小説には、縁が深い要素がいくつかある。

学生時代の一時期、五番町の界隈で、昔遊廓だった建物に住んでいたことがあった。当時、土産物屋でアルバイトをしていた。そこで売っていた八ツ橋の一つが「夕子」だった。ついでに、作者の水上勉は大学の先輩にあたる。もっとも年がかなり離れているので、これについては、私の小学校の後輩に木村カエラさんがいるということと同じくらい意味がないことかもしれない。

作品を読んだのは、社会人になってからだった。けれども、八ツ橋の包装紙に描かれた、ゆるキャラのような夕子と、生活の記憶に残る五番町の光景と、遊廓の生々しさが頭の中で噛み合わなかった。後追いで映画(佐久間良子さんと松坂慶子さんが各々主演で、二度映画化されている)もDVDで見たけれど、印象は今ひとつ変わらなかった。

作品の基になったのは、1950年に起きた金閣寺放火事件と、作者の学生時代の実体験といわれる。

ということは、題材の多くは現実にあったものか、或いはモデルとなったものが存在するのではないだろうか。

そんなことから思いついた今回の旅は、この小説に現れるいくつかの情景をトレースしていくものである。


1304272yuko
Kyoto, SONY Cyber-shot DSC-RX100 (2013. 4)

(注)原作を読んでいないと今回のネタにはついていけないと思いますので、悪しからずご了承ください。

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