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October 2012の3件の記事

October 27, 2012

[Tour] 兵庫県・明石 '12.10.27

「明石の、タコの天ぷらって食べたことあります?旨いんですよこれが」

最近いろいろと大阪に行く機会が増えたため、とある仕事関係の人と雑談がてら関西の話をしているときに言われた。普段はあまり旅の話題などしない人なのに、いきなりピンポイントで「明石」と振ってきたので、ちょっとびっくりした。

「おいしいんですか?」

彼は無言でうなづいた。

たしか新幹線の、新大阪の次のつぎくらいの駅が西明石だったような。大阪駅でも西明石行きの普通電車を見たことがあるし、そんなに遠くないような気がする。というわけで大阪出張の翌日の土曜日、帰路に明石へ寄り道することにした。

朝早くホテルをチェックアウトして私鉄の山陽電鉄に乗り、まずは明石の町の(たぶん)中心部にある明石駅へ。


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Hyogo, SONY Cybershot DSC-W630 (2012.10)

だがタコの天ぷらには時間が早い。そこで、行きしなに通ってきた電車の車窓から見えた海の辺りまで各駅停車でちょっと逆戻りする。大蔵谷という小駅で下車。数分歩くと海岸へ出られた。


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Hyogo, SONY NEX-5 with SONY E18-55mm F3.5-5.6 (2012.10)

彼方に見える吊り橋は明石海峡大橋。ということは、向うは淡路島だ。いやこれはいい所じゃないすか。

午前中のひとときをここで、のたりのたりとし、腹が程よく減ってきたところで明石の町へ戻る。商店街にも、食べ物を店頭に並べるところが目立ちはじめる。しかし、ここで気になったことがあった。


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Hyogo, SONY Cybershot DSC-W630 (2012.10)

「タコの天ぷら」とは、てっきりタコに衣をつけて揚げたものを食堂などで供するものかと思い込んでいたのだけど、ここでは、さつま揚げのような練り物にタコが混ざったものをそう称しているのだ。

ああそういえば関西では練り物を「天ぷら」っつーんだったっけな、と、そのとき初めて思い出した。もちろんここでそれを買って、帰りの新幹線でビールのつまみにするのもよいのではないかと思った。だが午後にも寄りたい場所がまだあるし、練り物は、日中、常温で持ち歩くにはちょっと不安があるし…ということでこの場は、関東でいう「天ぷら」としてのタコを店内で食べさせてくれる店を探す。

しかし意外とこれが見つからず、町内を数十分巡ってやっと見つけた店も、タコの天ぷらはランチメニューの小鉢の中の一品という地味な扱いだった。


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Hyogo, SONY Cybershot DSC-W630 (2012.10)

塩をつけて上品にいただいたタコ天のお味は、決して期待を裏切るものではなかったけれど、うーんなんかちょっと違うかもねぇこれは、と思ってしまうものだった。

さて。食後は再び、山陽電車に数駅乗る。人丸前、という駅で下車。目指すのは、これも朝、車内からたまたま目に入って気になった、立派な時計が掲げられた「天文科学館」。


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Hyogo, SONY Cybershot DSC-W630 (2012.10)

この時計は、ここが日本標準時の町であることをアピールしているのだろう。

明石が日本標準時ということは、前から知っていた。けれども詳しい理由は知らなかった。ここが日本の中心に位置するからだろうか。しかし、そう思いながら日本地図を見ると、明石は中心よりも若干西寄りにあるように感じる。

今日、これまであちこちで目にした情報によれば、どうもここが東経135度上にあるのが大きな理由らしい。

では、なぜ東経135度が標準時にふさわしいのか。140度でも130度でもかまわないのではないかという疑問が新たに生じる。ここで、時間の基準のひとつであるグリニッジ標準時の存在が重要になる。グリニッジは経度0度にある。したがって経度が15度(=360度を24で割った数)ずれると、1時間の時差が生じる。つまり、グリニッジと比較してキリのいいところに標準時を置くためには、経度が15の倍数にある場所を基準とすることが望ましいのだ。

ちなみに日本の東端にある東京都・南鳥島は東経153度、西端にある沖縄県・与那国島の西崎は122度にある。標準時との時差は、東は1時間12分、西は52分あることになる。そう考えると、日本も広い。

…ということを頭の中で計算しながら(嘘)科学館に入ろうとして、入館料に驚く。700円。単なる博物館としては高い。

もう少し若い頃は、こんな場合はその場で回れ右して帰ったこともあった。だが、いい年こいて700円ごときで腹をたてるのもさすがにアレである。昔と比べてどんだけ裕福になったかどうかは置いといて、今回は素直にお金を払い、中へ入る。

入ってみて、館内にプラネタリウムがあることを知る。なるほど、ここの目玉はプラネタリウムだったのだ。入館料700円に納得する。そして客にカップルが多いことにも気がつく。なるほど。

せっかくなのでプラネタリウムも見ていくことにする。ここのプラネタリウムは、稼動しているものでは日本最古で、旧東ドイツのカールツァイス・イェナ製なのだそうである。イェナと聞いて即座に「お、東ドイツか」とピンときたのは、私がドイツ通だからではなく、カメラ用レンズのメーカーとして、そこを知っていたからである。

プラネタリウムの投影は日没の場面から始まり、徐々に暗くなっていく。深夜の天空の説明が始まる頃、睡魔に襲われる。

目が覚めると、東側が明るくなりかけており、終了間近だった。

…って、まるで日常生活と変わりないではないか。

うーん所詮は結局のところ、これが一人プラネタリウム。

つーか近くで見ていたカップルの皆様におかれましては、俺の寝息なんぞ聞かされて申し訳ございません。けれど、たぶんイビキまでは、かいてないはずっす。


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Hyogo, SONY Cybershot DSC-W630 (2012.10)

しかし「海を見て、名物を食って、プラネタリウム」っていう今日の行程は、もろ、デートコースでしたな…。

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October 21, 2012

きょうびのカメラ雑誌

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毎月20日、カメラ雑誌が一斉に発売される。ここ数年は、書店で、これらを横並びにザッと見てから、特集などで一番興味を持ったものを一冊選んで買っている。

しかしこのところ、どの雑誌も、最新機種を持っていないと面白くないっつーか、仲間に入れてもらえないような内容のものが多い気がする。たしかに最近は、多くのメーカーから新製品が大量に発売されている。だが個人的に魅かれるものがあんまり無い。ちょっと前までは、仕事多忙の腹いせで、残業代でもって新機種をしばしば買っていたもんだけど、最近はそれよりも、今使っているカメラにもっと慣れたいという気持ちのほうが強いのだ。冷静に考えてみて、5年前や10年前に比べて、カメラを買い換えたおかげで私は写真がうまくなったのだろうか。いやそんなことはない(反語的表現)。


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Tokyo, SONY α390 with MINOLTA AF ZOOM 24-85mm F3.5-4.5 NEW (2012.10)

てなわけで、しばらくは糞詰まり状態でブログ更新していくことになりそうっす。この調子だと、このまま年末かなー(…)。

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October 14, 2012

ブータンの不都合な事実

他の多くの国と同様、国境が全て地続きのブータンにも民族問題は存在する。外務省発行の2007年度版『ブータン国別評価』によれば、人口は67万5,000人、民族構成はチベット系60%、ネパール系20%、その他20%とされている。この割合は、十数年前、私が住んでいた頃に感じていたものに近い。実際には、南部ではネパール系の割合が高く、北部では逆にチベット系の人が多く見られた。おそらく全てを足して割れば、ほぼこれくらいではないかという程度の感覚である。私が住んでいた辺りは、チベットから移ってきた(と聞いた)人も、ちらほら住んでいた。私のいた町に限って言えば、チベット系ブータン人(≠チベット人)70%、ネパール系20%、チベット人が10%くらいの割合だった。

↓画像はブータン南端のインド国境にある町、プンツォリンの市場。


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Phuentholing (BHUTAN), MINOLTA α-9xi with MINOLTA AF ZOOM 24-85mm F3.5-4.5 NEW (2001.11)

私の職場にも、ネパール系の同僚が何人か働いていた。職種は様々だった。鍛冶職人、事務職の女性、入出庫部門の担当職等々。私より年下の、あるネパール系男性は、間接部門の部長だった。彼とは何度か個人的に酒を飲んだり食事をしたりした間柄だったので、プライベートな話をしたこともあった。彼の実家は特に裕福ではなさそうだった。けれども、ブータン唯一の国立大学(ブータンでは、国公立の学校の学費は基本的に無料である)を卒業して今の職場で働くようになったと言い、彼の兄も、大学を出て首都にある放送局に勤めていると話していた。もっとも彼に限らず、職場の管理職クラスの人は、ほぼ全員、専門学校卒以上の学歴があった。だから、人種より、むしろ学歴が地位に影響するものだと思っていた。

ブータンに住んでいた時に民族問題について深く話したことはほとんどなかった。身近で、差別を肌で感じることがなかったし、そもそも外国のセンシティブな問題をアウェーの人間が現地の人に対して軽々しく話題にすることはタブーである。

そんなわけで最近までこの国の民族問題については、実体験以上の知識はほとんどなかった。主にネパール系のブータン人難民キャンプが国境を隔てたネパール国内の片隅にあることを知ったのも、帰国後のことだった。

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先日読んだ『ブータン-「幸福な国」の不都合な真実』(河出書房新社)の著者、根本かおるさんは、大学院時代にインターンとしてブータンを追われた難民支援活動に関わったという。この国の第一印象が第三国にある難民キャンプというのは、観光などでブータンを訪ねた人のそれと大きく異なるに違いない。

この本の、他のブータン関連書籍と異なる特徴は、難民問題だけではなく、ブータンの近代史や政策についても詳細に調べて書かれていることである。この国に関する情報は曖昧なものが多いので、全体にわたって、ある側面からスパッと割り切って書かれたこの本は、それだけでも貴重な存在だ。

もちろん本書でブータンの難民問題が全てわかるわけではないし、私が実感していたこととは印象が異なる点もいくつかあった。けれどもそれはお互いに、個人として持つ印象なのだから当然のことだ。大きな誤りや著しい偏見があると感じた部分は、なかった。

私は、この本はブータンで暮らす人、あるいは暮らしたことのある人に、特に読んでもらいたいと思う。ブータン国内に住んでいると、こうした情報を目にする機会はほとんどないからだ。逆にそれ以外の人は、冷静にとらえつつ読んでいただきたいと感じる。ブータンに限らず、南アジアでは、隣国の中国チベット自治区はもとより、インドや、ブータン人難民キャンプのあるネパールでさえ、深刻な民族問題が多数、場合によっては連鎖して存在している。簡単に「ブータンだけが、けしからん!」と言い切れるものでもないのだ。しかしブータンに対して「幸せいっぱいの国」だとか「シャングリラ」とかお花畑イメージを持っている人は、それもまたちょっと違うということを知る意味で、本書をお勧めする。

余談ではあるが、昨年の国王来日以降、「ブータンの大多数の人は幸せなんですよね?」的な質問を、私も、時々されるようになった。それに対しては、もっぱら、こう答えている。

「そうかな?うーん…。俺もブータンにいるときは幸せだったな…今よりは。別の意味でね」

いやこれも本音っすわ。ふはは(←力のない笑い)。

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