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May 2012の10件の記事

May 27, 2012

そこに鉄道があるから

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Chiba, KONICA Digital Revio KD-500Z (2012. 5)

いすみ鉄道・大原駅に来た。

JR外房線と接続するこの駅から内陸部へ向かって走るいすみ鉄道に乗って終点の上総中野で小湊鐵道(正式な社名は「鉄」道ではなく「鐵」道と書くらしい)という私鉄に乗り継ぐと、海沿いを通らずに内房線の五井まで列車で房総半島を横断できる。

沿線には特に目立った観光地があるわけではない。しかし最近テレビ番組などでいすみ鉄道が取り上げられることが多く、関心を持っていた。

特に目立った観光地がなく、用事もないのに、昔、この線に乗ったことがあった。

高校生の頃、鉄道マニアの友人に誘われて、いすみ鉄道の前身である国鉄木原線の写真を撮りに行ったのだ。誘い文句は「都内での日常生活ではめったに目にすることがないディーゼルカーの列車が走っている」とか何とか…だったかな。たしか私は写真係だった。アルバイトをして買った一眼レフを持っていたから。

もっとも私がその誘いを受けたのも、ディーゼルカーがどうのということより、単なる、非日常的なものに対する興味のためではなかったかと思う。

そんな意味では、今も、私が旅をする目的っつーのは根本的に変わってはいないようだ。


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Chiba, CANON FT with CANON FL 50mm F1.8 (1982. 9)

その当時、国鉄だった頃の大原駅と木原線の列車。この記事を書くためにネガフィルムを引っ張り出し、日付を見てビビった。

1982年9月。

30年前である。

これを撮ったとき、私の心の中で「30年前」なんていうのは、未知の古代であった。

その写真を、30年経って見る。懐かしいとか微笑ましいとかいうより、オノレの変わらぬ芸風に呆れる。

さて。そのとき乗った木原線は、のちに赤字のために国鉄の手を離れ、1988年、第三セクターのいすみ鉄道に経営母体が変わった。しかしそれでも経営状態は苦しく、路線廃止の話も持ち上がった。そこで苦境を脱出すべく、様々な再建策が講じられた。といっても先述したようにめぼしい見どころが少ないこの沿線では、普通に観光客などを増やし集客を図るのは難しい。そこで鉄道自体を観光の対象にしてしまおうと、国鉄の旧型ディーゼルカーを購入して急行列車として走らせたり、鉄道のキャラクターとしてムーミンを使ったりして、鉄道マニアやムーミンマニアの需要の掘り起こしを行った。その結果、大幅な売上増につながり、経営も改善したという。

30年前を偲んで、まず急行列車の走りを撮ってみる。


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Chiba, SONY α390 with MINOLTA AF ZOOM 24-85mm F3.5-4.5 NEW (2012. 5)

はいきれいに撮れました的に見えるかもしれないけど、図鑑や絵本に載っているようにバランスよく列車全体を構図に収めることは、意外と難しい。列車が来る前に車両の大きさや長さを予測し、そのうえで光線を読んで露出やシャッター速度を決めなければならない。シャッター速度優先モードなんて使ったの、いつ以来だろうかと。


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Chiba, SONY Cybershot DSC-W630 (2012. 5)

ムーミンがキャラクターとして使われている理由は、この沿線の、険しすぎず、しかし山がちの風景が、ムーミン谷に似ているからだという。


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Chiba, SONY Cybershot DSC-W630 (2012. 5)

鉄道ばかりではなく、途中の国吉駅近く(といっても徒歩20分程度ある)にある海雄寺の寝釈迦像と、おそらく沿線随一の観光スポット・大多喜城にも足を運んだ。しかし寝釈迦像は施錠された無人の堂内にあり、窓の一部に穴が開いていて、そこから覗き込むシステム(…)となっていて、大多喜城は……まあ、城だよね……といったもので、やはり「ここを目的に行こう」っつーインパクトには今ひとつ欠けるような。

大多喜から先、終点の上総中野のちょい手前にある総元(ふさもと)駅で途中下車する。

前に来た時、この駅の近くで列車を撮った。


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Chiba, CANON FT with CANON FL 135mm F3.5 (1982. 9)

それ以来、記憶の中では、木原線といえばこの画像が、印象として生き続けてていた。

しかし、その当時にしてシブく朽ちかけていた木造の駅舎は建て替えられていた。

あのときもたしか午後だったから、逆光だと、こっちの方向だよな…

道順は完全に忘れていたけれど、画像の記憶を頼りに当時の撮影場所を探す。

おそらくここだろう、と思われる踏切に来た。

しかし木や建物に遮られて、すっかり見通しが悪くなっていた。

30年ぶりの再訪は、残念ながら、記憶の光景を上書き消去するものだった。


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Chiba, SONY α390 with MINOLTA AF ZOOM 24-85mm F3.5-4.5 NEW (2012. 5)

上総中野で、小湊鐵道に乗り換える。ここも古いディーゼルカーが走る私鉄で、マニアの方々には人気がある。けれども前にマニアの友人と訪れたときには、寄り道せずにまっすぐ終点まで乗っていった記憶がある。それは第一に、当時は「古い」車両でなかったこと、そして途中下車できない私鉄のきっぷでは、降りてきっぷを買いなおすと割高になってしまうためだったと思う。

だが鉄道会社も商売っ気を出し、現在は、乗り降り自由のフリーきっぷの類がいくつか売られている。今日私が持っているきっぷは、大原から五井までの間、JRの長距離片道きっぷのように途中下車できる「房総横断記念乗車券」というものだ。こんな便利なきっぷが当時もあれば、と、ふと、金欠の高校生時代のことを想う。

もっとも途中下車できたところで、小湊鐵道の沿線も、紅葉で有名な養老渓谷とその周囲の若干のハイキングコース以外、これといった観光地があるわけではない。しかしこの路線にも趣のある駅がいくつかあるので、日が暮れるまで、予め見つくろっておいたいくつかの無人駅で、適当に下りていった。


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Chiba, SONY α390 with MINOLTA AF ZOOM 24-85mm F3.5-4.5 NEW (2012. 5)

駅では観光客の姿を何人か見かけた。中には鉄道マニアには見えないような人も結構いたけれど、車で来て、駅の写真を撮って、また車に乗って走り去っていく人達もいた。

既に小湊鐵道も、鉄道そのものが観光資源化しているのかもしれない。30年前の私のように、「そこに鉄道があるから」という理由でここを訪れる人も多いのだろう。

いや私はもう今日は、鉄道はお腹一杯といった感じなのですが。


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Chiba, SONY α390 with MINOLTA AF ZOOM 24-85mm F3.5-4.5 NEW (2012. 5)

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May 21, 2012

Eclipse

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Tokyo, SONY Cyber-Shot-Keitai S003 (2012. 5)

けさ、うちの近所で、ばあさんがその辺のベンチに座ってニコニコしながら空を見上げていた。

次回は私もそんなシチュエーションで見たいもんだなーと思い、調べてみたら、日本では次は2030年に北海道、2041年に若狭湾から伊豆半島の間で見られるそうっす。

まーその頃バリバリに多忙なことはまず無いだろうけど、そんなことよりそのとき自分の年齢がいくつか数えると脳内が日食状態に。

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May 20, 2012

格安ツァイス

先日の旅行のとき使ったPENTAXのOptio S1が正直どーも今ひとつだったので、ここで、写り重視で安価かつ普段使いできるコンパクトデジタルカメラの導入を急遽検討することにした。

ソニーのCyber Shotは現行機種だけで11種類もある。しかしカタログを熟読したところ、各々の機種の大きな違いはレンズのズーム比と背面モニターがタッチパネルか否かくらいで、写りそのものの違いはスペックからは読み取ることができなかった。とりあえず高倍率ズームもタッチパネルも不要不急のものなので低倍率のレンズ(それでも光学5倍ズーム)の機種に絞ると、まだWX50とW630の二機種がある。

で、この二つの違いは、というと、WX50はセンサーが1,620万画素裏面照射型CMOSセンサー、W630は1,610万画素CCD。裏面照射型CMOSは高感度に強いという評判があるけれど、逆に、日中の描写はCCDに劣るともいわれている。

目的が普段使いであることを考えると、ここで裏面照射型CMOSもよいかと思ったけれど、どーせ夜景なんてそんなに撮らないし両機種とも光学式手ブレ補正がついてるからCCDでもいいんじゃねーかと考えて、W630を選んだ。

W630は、現行のCyber Shotカタログの中では隅っこの方に載っているローエンドクラスの機種だ。今春発売されたばかりのモデルなのに実売価格は¥12,000前後。ある日、都内のヨドバシカメラで、価格.comの最低価格より安く売られていたのを見つけて即買いしてしまった。


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しかしこのカメラ、レンズはカール・ツァイスのバリオ・テッサーが付いている。現行のツァイスレンズ付きカメラ(或いはカメラ用レンズを含めて)でおそらく最も安価な製品ではなかろうか。というか、ここまでツァイスにこだわんなくてもいいのではないかという気もする。

胸ポケットに楽に入る大きさ・重さである反面、電源ボタンやカバーが小さくて操作しにくかったり、彩度やコントラスト等の細かい設定が不可能だったり(ISO、ホワイトバランスや露出補正は可能)といった欠点がある。しかしそこは値段を考えれば、多少はあきらめもつく。個人的に気に入ったのが、レンズの焦点距離。35mm換算で25mm~125mmとなっている。一見中途半端に思われるけれど、広角端から数えて1.4倍が35mm、2倍が50mm、3.4倍が85mm、4倍が100mmとなり、焦点距離が倍率表示されるコンパクトデジタルカメラでは、25mm始まりのズームレンズは、わかりやすい。


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Tokyo, SONY Cybershot DSC-W630 (2012. 5)

この機種の作例画像は、ネットでほとんど見つけることができなかった。しかしこのゴールデンウイーク中のコンパクトデジカメ販売ランキング第10位と、売れてはいるのだ。ネットに作例があがらないのは、おそらくそのスジの人達にノーマークなためだろう。

で、私が一日撮ってみたところ、すべてにおいて平均的な写りで、特に得手不得手な被写体があるようには感じられなかった。センサーがCCDなので、暗いところの写りはやや不安だったけれど、今日撮った地下鉄のホームも、あとで見るとISOは320までしか上がっていなかったため、あまりアラは目立たなかった。細かいところを見れば、端部に色収差が少し出ていたり像が流れたりしているけれど、等倍で見なければ気にならないレベル。しかし、ツァイスレンズから連想される色の鮮やかさやコントラストの高さというのも、特に感じられなかった。でも「写り」という点についていえば十分合格点かなーというのが、本日これまでの感想。また、モニターを見ると全体的に露出オーバー気味に表示されていたので-0.3EVデフォで撮ったところ、ほぼ適正露出になった。これは個体差の範疇なのか、もともとそんなもんなのか、何かがおかしいのかは謎。

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May 14, 2012

非常口

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Bangkok (THAILAND), RICOH Caplio GX100 (2010. 1)

先日広島県のホテルで起きた火災が惨事となった原因のひとつに、建物の、構造上の問題が挙げられている。

過去に旅先で泊まった国内外のホテルのことを思い出してみると、窓がない部屋や、廊下が入り組んでいて非常脱出経路がわかりにくい所もあった。窓なしの部屋がなぜ問題かというと、非常時に廊下が使えない場合、部屋から脱出する術がなくなるからだ。また、インドやブータンでは、窓があっても、鉄格子がはまっていることがあった。これは外からの侵入者を防ぐためと聞いたけれど、諸刃の剣になりかねない。


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Thimphu (BHUTAN), SONY α380 with SONY Vario-Sonnar T*DT16-80mm F3.5-4.5 (2011. 2)

昔は、チェックインして部屋に入ると必ず最初に非常口へ至る経路を確認していた。しかし、いつしか面倒になって、最近では怠ることが多い。それどころか、外出から戻ってエレベーターを降り部屋に帰るときに、何度も迷うこともある始末(これは建物の構造以外に、私が方向音痴であることも起因する)。

とりあえず今後は、非常口のチェックくらいは徹底しようと思う。

火事に遭う確率なんて、実際には一生のうちに一度あるかないかだろう。だがそれゆえに、注意しておけば済むことで命を落とすのは悔いを残すと思うのだ。いや死後の世界があったとして。

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May 13, 2012

まだまだコニカ

ここから再び、ほぼリアル更新っす。

先日の旅では約10年間使い続けてきたデジタルカメラ・コニカKD-500Zを、たぶん購入以来初めて海外への旅行に持っていかなかった。いいかげん新しい機種でカバーできるだろうと考えていたからだ。しかし帰国後に撮った画像を見ると、「うーんこのときKD-500Zで撮っておれば」と感じたものが、いくつかあった。

2003年の機種なんっすけどねー。しかし後継機になりそうなものが未だに見つからんのはどういうわけだか。


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Tokyo, KONICA Digital Revio KD-500Z (2012. 5)

画素数とか低輝度痔の画質はともかくとして、晴天時の発色は、今も一流だと思う。

あーコニカがまだカメラを作ってくれておればなぁ…。

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May 05, 2012

[Tour] TAIWAN '12. 5. 5

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Taipei (TAIWAN), SONY NEX-5 with SIGMA 30mm F2.8 EX DN (2012. 5)

今日の帰国便は午後の出発なので、午前中は市内でみやげ物他のお買い物に充てようと考えていた。しかしこの辺の店は、意外に朝が遅かった。週末だというのに、11時頃になってやっと開店するところも多かった。台北駅近くにある博愛路のカメラ屋も然り。もっとも最近は海外専用モデルや海外で買った方が安い機材というのも少なくなってきたので、見どころも減った。


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Taipei (TAIWAN), PENTAX Optio S1 (2012. 5)

駅近辺では、最近できたと思われる小ぎれいなホテルが目についた。ある程度フロントで英語が通じて部屋が清潔ならば、日本語が通用しなくても、NHKが映らなくてもかまわない。つーか日本から予約を入れられるホテルは、たいていフロントの従業員はカタコトまたはそれ以上の日本語が話せるけれど、それ以外には大したメリットがあるわけではなくて、どうも割高感があるのだ。カタコトの日本語でもカタコトの英語でも私にとっては大して変わりはない。料金次第では、次回訪台の際に検討しよう。次回の予定は、まったくの未定だけど。


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Taoyuan (TAIWAN), PENTAX Optio S1 (2012. 5)

15時の便でも成田に着くのは19時前。近いなあ。未定といっても、次回も意外と遠くない日かもしれない。

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May 04, 2012

[Tour] TAIWAN '12. 5. 4

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Yilan (TAIWAN), PENTAX Optio S1 (2012. 5)

「雨季」の雨は、ちょっと待っていれば止む印象がある。しかし「梅雨」の雨は、ずっと降り続ける。今まで傘なしで頑張ってきたけれど、あきらめて、朝、折りたたみ傘を買う。蘇澳は今朝も土砂降り。連日の雨で気温が下がっているにも関わらず、台北行きの電車は冷房をガンガン効かせている。寒さに震えながら昼過ぎ、台北着。一週間かけて、この島を一周したことになる。


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Taipei (TAIWAN), SONY NEX-5 with SIGMA 30mm F2.8 EX DN (2012. 5)

晴れていれば夕陽が綺麗な淡水に行こうと思っていたけれど、雨は上がっていたとはいえ、どんよりした天気だったので、今日もまた予定を変えて、龍山寺の近くにある華西街の夜市へ行くことにする。龍山寺には今まで何度か行ったことがある。しかしいつも朝方に参拝したことばかりで、夕方に足を運ぶのは今回が初めてだ。『地球の歩き方』に「この近辺は夜は治安が悪いので注意」とあったことを覚えていたので、やや緊張する。


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Taipei (TAIWAN), SONY NEX-5 with SIGMA 30mm F2.8 EX DN (2012. 5)

食べ物を扱う店が多いけれど、それらの中に蛇(の料理)を扱う店が数軒あるのが目につく。精力剤としてだろうか。この町には風俗店も多い。雰囲気としては、ひと昔前の、大阪のジャンジャン横丁に似た臭いがする。ただし、ふた昔前のジャンジャン横丁と比べると、あっちの方が濃さでは優っていたと思う。

そんな中、つい、怪しい臭いのする裏通りへ足を踏み入れたところ、ポン引きのおばちゃんに腕をつかまれた。

「うちはかわいいこいるよ。はたち。おっぱいおおき」

ここで振り切った。しかしおばちゃんに嗅ぎつけられてしまった以上、あんまり深入りするのも面倒なので、残念ながらここで探索をあきらめる。

駅に戻り、地下街を歩く。なぜか、ヨレたメロディの軍艦マーチが耳に入る。これまた音のするほうへつい足を向けると、「龍山倶楽部」と書かれたステージ上で、おっさん達がライブ演奏をしている。


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Taipei (TAIWAN), SONY NEX-5 with SIGMA 30mm F2.8 EX DN (2012. 5)

ステージの向こう側では、会議室にあるような机が学校教室状態に並べられ、お茶とお菓子を置いて聞き入る老人たちがチラホラと。そしてステージと教室状態の客席の間には、インプロビゼーションのようなダンスをする中高年の男女の姿が。中でも激しい踊りを見せる老人のカップルはなぜか無表情で、より一層のシュールさを醸している。


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Taipei (TAIWAN), PENTAX Optio S1 (2012. 5)

バンドは、ギター・キーボード・ドラムスの三人編成。時にボーカルが入り、「浪花節だよ人生は」など、やはり古い日本の歌謡曲などを中心に演奏を続けている。姿がよく見えないけれどおそらくベース役も兼ねているキーボーディスト。メーカー不詳のストラトキャスターでよじれたメロディーを奏でるギタリスト。襟首の伸びたTシャツにサンダル履きという姿から妙にタイトなリズムを叩き出すドラマー。ステージの前で踊り続ける男女。そして、それをノンアルコールで観る老人達。これらを見ているだけで、いくらでも時間が無駄に潰せそうだ。奥が深すぎるぞ、夜の龍山寺。

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May 03, 2012

[Tour] TAIWAN '12. 5. 3

テレビのニュースによれば、(たぶん)全国的に梅雨入りした(らしい)とのことだ。詳しいことは理解できないけれど。今日の天気予報も、とりあえず「不安定」ということだけ理解できた。

これまで海沿いを通ってきたのに、海岸へ行っていなかったので、今日も早朝の列車に乗り、海を目指す。向かったのは、漢本。ローマ字では"Hanben"と書く。ここは、蘇澳と花蓮の間を結ぶ道路・蘇花公路の中間地点であり、そのことから日本統治時代に「はんぶん」と呼ばれていた。それに、戦後、「漢本」と漢字が充てられたという。こんなところにも日本時代の残滓がある。


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Yilan (TAIWAN), PENTAX Optio S1 (2012. 5)

漢本駅で列車を下りて線路沿いを10分くらい歩くと、海岸に出る。


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Yilan (TAIWAN), SONY NEX-5 with SONY E16mm F2.8 (2012. 5)

昨日列車から見た時、海は綺麗な色だった。だが、今日は、あいにくの曇り空。時おり列車が近くを走りすぎる様子もいい感じで、天気さえ良ければマッタリするのに最適な場所と感じる。だが今日は、この場所で雨に降られたらどうしようもないので、ほどほどに切り上げる。町歩きに予定を変更。次の列車の終点である宜蘭へ行ってみることにする。


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Yilan (TAIWAN), PENTAX Optio S1 (2012. 5)

宜蘭は豊かな穀倉地帯である蘭陽平原の中心にある物資の集散地として賑わった街で、中心部には日本統治時代の宜蘭神社にあった神馬像が保管されている文昌廟や、製酒工場内に併設された甲子蘭酒文物館などの見どころがある…と、ガイドブックに書かれていた(実は本がかさばるので旅社に置いていったため、これら行った場所の詳細は後から知った)。

蘇澳へ戻ると、また土砂降りの雨に遭う。この旅では、どうもこの町と、天気の相性が良くないようだ。

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May 02, 2012

[Tour] TAIWAN '12. 5. 2

花蓮をあとに、北上し、蘇澳へ向かう。蘇澳には冷泉がある。冷泉とは、鉱泉のひとつで、水が熱くないものを指す。日本でも最近よく聞く、加熱しなければ入浴できない温泉も冷泉なのではないかと思い詳しく調べたところ、湧き出す水が摂氏25度未満のもののみを冷泉と呼ぶらしい。


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Yilan (TAIWAN), SONY NEX-5 with SIGMA 30mm F2.8 EX DN (2012. 5)

さて。今日、当てにしていたのは、各部屋に冷泉を引いているという旅社。小さな宿なので、正午過ぎの早い時間に訪れたところ、他に誰も客がおらず、拍子抜けした。


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Yilan (TAIWAN), PENTAX Optio S1 (2012. 5)

部屋の風呂。「冷泉」と書かれた栓をひねると、浴槽の底から、ぼこぼこ水が出てくる。それを蛇口から出る熱湯で埋めて入浴する仕掛け。


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Yilan (TAIWAN), SONY NEX-5 with SIGMA 30mm F2.8 EX DN (2012. 5)

午後、急に雲行きが怪しくなってくる。町外れの港へ行こうとした途端に、大粒の雨が落ちてくる。これもいい休息の機会と割り切り、コンビニで食品を買い込んで宿に戻り、冷泉にしけ込む。

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May 01, 2012

[Tour] TAIWAN '12. 5. 1

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Hualien (TAIWAN), PENTAX Optio S1 (2012. 5)

朝、ホテルの窓からこの雲を見ることができただけで、正直、今日はもうどこへ行かなくても十分に満足感が得られた気がした。

まーそうは言っても日程に余裕があるわけでもないので、早朝の列車に乗る。目的地は、武塔。武塔は、普通列車だけが停まる無人駅。その普通列車は、1日7本しかない。筆談できっぷを買うとき、駅員もちょっとびっくりしていたようだった。

ここには「サヨンの碑」がある。サヨンとは、武塔の村からさらに奥にあるタイヤル族のリヨヘン村に住んでいた少女。1938年、その村で働いていた日本人警官に出征の命令が下り、村を去るときに、警官の荷物運びを買って出た当時17歳の彼女が、村からふもとに降りる途中で丸木橋から足をすべらせて亡くなってしまった。それを知った当時の日本人台湾総督が、これを愛国美談として、記念の鐘をリヨヘン村に贈り、「愛国乙女サヨン遭難の碑」を遭難場所近くに建てた。この話は戦時中の日本では結構もてはやされたようで、1941年には「サヨンの鐘」という歌(それも、作詞・西條八十、作曲・古賀政男、歌・渡辺はま子という、私でも名前を知っている豪華なメンツによる)になり、1943年には映画化までされた。

しかし敗戦後、国民党政権によって、サヨンの碑は碑銘の一部を削られ、鐘とともに捨てられてしまった。だが後にそれを地元住民が拾い上げて建てなおし、鐘も復元されているという。


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Yilan (TAIWAN), PENTAX Optio S1 (2012. 5)

列車を下りてから武塔の駅から見えるドライブインへ足を運ぶと、サヨンの鐘があり、そばに周辺の案内図もあった。鐘は、ごっつい鳥居と共に保存されていた。この場所が昔は神社だったというわけではなく、日本統治の象徴みたいなものとして作られたようだ。

ここからしばらく歩くと武塔の村落があり、村の外れにサヨンの碑が立っていた。


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Yilan (TAIWAN), SONY NEX-5 with SONY E16mm F2.8 (2012. 5)

削られたのは、「愛国」という文字と彼女の名前が彫られていた箇所。碑を造った当時の日本人、碑を削った国民党関係者、この場所に再び碑を立たせた地元の人の心情が、皮肉にも、一体となって、今、ここにあるように見える。


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Yilan (TAIWAN), SONY NEX-5 with SONY E16mm F2.8 (2012. 5)

碑からさらに数十分歩き、彼女の名をとって付けられた「サヨン橋」に出る。この近所に、彼女が住んでいたリヨヘン村があるという。しかし橋の先を見ても、緑ばかりで、集落らしいものは見えなかった。立派な橋が架かっても、環境そのものは当時と変わっていないのかもしれない。

いったん花蓮に戻り、午後は豊田村へ行く。ここもまた日本くさい地名だ。駅から数十分歩くと、唐突に鳥居が現れる。しかも鳥居には「碧蓮寺」とがっつり表示が入っている。

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Hualien (TAIWAN), SONY NEX-5 with SIGMA 30mm F2.8 EX DN (2012. 5)

ここは、日本統治時代に神社として作られたところを、戦後、寺院に改宗したという。鳥居から山門まではまっすぐ参道が伸びている。しかし、その間に商店が一軒もないのが異様だ。


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Hualien (TAIWAN), SONY NEX-5 with SIGMA 30mm F2.8 EX DN (2012. 5)

山門も、明らかに鳥居を改造しましたという造り。境内には手水場や狛犬も残されていた。この無理矢理感、日本人の目で見ると罰当たりのようにも思われる。しかし考えてみると、むしろ、こんな所に神社を作ってしまったことの方が、よっぽど罰当たりなことではなかったのかという気もする。広い境内があるにも関わらず参拝者はまばらで、戦後65年経っても、近くに参拝者向けの店が一つもなく、参道が近所の犬のランニングロードとなっている。大きな寺なのに、近所の住民に愛されていない実態を目の当たりにすると、怒り、というより、やりきれない気持ちにさせられた。

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