« 年越し準備 | Main | 年末自虐節 »

December 23, 2009

国民総充足

091128ver11いま読んでいる『ブータン仏教から見た日本仏教』(今枝 由郎著:日本放送出版協会)という本に、ブータンの有名な国策の一つである「GNH(Gross National Happiness)」について ブータン前国王のジグミ・シンギ・ウォンチュック氏が語った一節がある。

GNHとは、GNP(国民総生産)をもじった言葉で、「国民総幸福(量)」と訳される。

「物質的に豊かになることに拘りすぎて、そのために生じる環境破壊などの問題に苦しむよりも、国民一人ひとりの心の豊かさを重視し、『自分は幸せだ』と感じる国民の数を増やしたい」というような意味があると聞いた。

しかし私は「国民総幸福」という言葉の牧歌的な響きや抽象さから、国策に掲げるにはあまりそぐわないのではないかと、ずっと思っていた。

これに対して、今枝氏が2004年にジグミ・シンギ・ウォンチュック氏(当時ブータン国王)に接見したとき、こう語っていたという。

「いま考えると、幸福は非常に主観的なもので、個人差がある。だからそれは指針とはなりえない。私が意図したことは、むしろ『充足(contentedness)』である。それは、ある目的に向かって努力するとき、そしてそれが達成された時に、誰もが感じることである。この充足感を持てることが、人間にとってもっとも大切なことである…」

国王の意図するところが「充足感」だったのだと知って、遅ればせながら深く共感を覚えた次第。


091223bumthang
Bumthang (BHUTAN), MINOLTA α-9xi with 24-85mm***

モノがなくても充足感を得られる環境もあれば、モノがなければ一層の喪失感に苛まれる環境もある。

…ちょっと前だったら、「モノさえあればアナタ、幸せですかぁ?」なーんて、声高に言えたのにねぇ。

世の中、難しくなってきてますわ。

|

« 年越し準備 | Main | 年末自虐節 »

#Bhutan」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 年越し準備 | Main | 年末自虐節 »